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スーパーFJを初めて観ました。 [JAF準国内格式N1選手権2010]

superfj.gif

自販機脇のゴミ箱が吹っ飛んでいく暗い道を走らせる。
我が妻は「こんな天候で、やるの?筑波のレース。家出るのやめた方がいいよ。」と不安がっていたけど・・・
今年の筑波シリーズの開幕戦を手伝うことにした。
初戦から、欠席って訳にいかないよ。とりあえずは、筑波サーキットに向かってみよう。
目的は二つあって、この筑波TTC1400に出場する彼の手伝いと、それと来月の日光耐久は、この彼とオーナー・私の最小単位のメンバーで組むことになったのだ。
お互いの連携を実戦で練習しておかないといけない。

6時半から受け付け開始っていうのは・・・ダートラで慣れていたけど、まさか強風っていう悪天候に遮られるとはね。
到着した頃には、7時15分からの車検が始まっていた。

このJAF公認競技(準国内格式)は、エビスや日光の耐久レースと違って、出走前の車検も車検ピットに持ち込んで、重量だけでなく、下回りまで調べられるような厳密さ。
何も問題はない・・・と思っていたら、意外な落とし穴が。
「この消火器、2013年まで”容器が使える”と表示してあるだけだから。製造後2年で中身交換だからね。」
ありゃあ・・・まあ、一筆提出して、とりあえずは出走させてくれることになったから、良かったけど、ちょっと落とし穴だったねえ。

天気は余計に悪くなってきていて、ポンチョを着込んでも濡れてしまうぐらい。
横殴りの雨だよ。まいったなあ・・・・あ、タイヤをADVANのA050に換装するのね。了解了解。
車検後、いったんピット裏にマシンを寄せて作業を開始しようとすると・・・
なんでピットの隅っこに、こんな若い娘さんがいるの?明らかに「私、サーキット来るの初めてです。」っていうどす黒いオーラがでてる。

どうも今回のピット割りは、複数のカテゴリーで初めからシェアして一日使うことになっているらしい。
なんだか・・・・たぶん、どこかのカテゴリーのドライバーが連れてきたんだろうけど・・・
一日ほったらかしになるだろうなあ・・・普通は競技で頭がいっぱいになっちゃうもんね。
今日の一日で、「モータースポーツなんて、全然つまらない。」って思われちゃったらやだなあ・・・

若い娘さんにお話を聞いてみる。
「サーキットに来るのは初めて?」・・・コックリ。
「Bパドックまで行くと戻ってくるのは大変だから、他の観客席に言ってみると良いよ。」

作業をいろいろと終えて、ピットに戻ってくると・・・・まだ、ちんまり突っ立ってる。ふう・・・・
うちのメンバーに声をかけて、折りたたみ椅子を提供。
あと、ウインドブレーカーと膝掛けね。まあ、初めてサーキットに来たんじゃ、「作業が優先で、座る場所もない」のが、ピットレーンだなんて、わかるわけもないよなあ。

彼がどの車両に乗っているのか聞いてみると・・・・指を指したのは、FJ1600マシン群。
「んじゃ、今から予選だから、タイムを計測して彼に向かってタイムボードを出してみよう。」
ピットアウトしていくFJ1600群を見送って・・・・え〜と、彼の車両はどれなの?

「いえ、今走っているのじゃなくて、こっちです。」
「?????まだ出走していないFJ1600車両なんてあったっけ?」
指を指す方向を見ると・・・・FJ1600の前に並んでいた・・・なんていうの?この羽がついたマシン

オーナーに解説を求める。
スーパーFJってヤツだよ。本当は、FJ1600は昨年までで終了だったんだ。JAFの公認競技は今年からスーパーFJ以上になったんじゃないかな。」
ビックリ!みんな!大変だ!このピットの娘さん、スーパーFJドライバー様の彼女さんだぞっ!
って、騒いでいる脇をすり抜けて、ピチピチの若い彼が彼女のところに寄ってきた。
ハハ〜っ!大変大変!みんな頭を下げろっ!
俺たち、今日は一日スーパーFJのドライバー様とピットが一緒だぞ!
全員30番ピットで膝をついて挨拶。
「既にVIP待遇です!ご心配なさらないでください!」(声裏返ってるし。)
「あ、彼女、筑波に来るのは初めてなんです。僕もスーパーFJ、今日が初めてだし。」

スーパーFJの予選が始まって、彼女様がタイムボードを出して、私がタイム計測をする。
いや・・・ちょっと、”ハコ”の世界と勝手が違って、戸惑う。
たぶん、彼は「正式なチームが出すタイムボード」を見るのに一生懸命で、離れたピットから彼女さんが出すタイムボードはなかなか見ることができないだろうけど・・・
着座位置が「ギリギリまで地面に近い」フォーミュラーカーに対してのタイムボードの出し方って・・・どれぐらいの高さが正しいんだ?

それよりも、とにかく一周のラップタイムが速くて、なんだか忙しい。
1分フラットで走っていた彼が、チームのピットに入って何かを調整して再びタイムアタックに入っていく。59秒台に入れてきた。
ふ〜ん・・・・さっき、「今日が初めて」って言っていたけど、何か競技経験があるね。こりゃ。

予選12位で終えた彼に走行後に話を聞いてみると・・・
「昨年、FJを走っていました。今年はスーパーFJにステップアップです。」
「ウイングの効果はあります。ダンロップ下と最終コーナーで、ダウンフォースを感じます。」
「予選ダメだったけど・・・彼女連れてきたんで、良いところ見せたいです。」
まあ、この天候じゃね。僕らも雨が上がって、どんどん乾いていく路面状況に翻弄されてしまった。
「セッション最後まで踏んでいたヤツが前に出る。」状況。
うちはTTC1400予選6位で終了。
ちなみに同時にAE86レースに出走していた彼(昨年の日光250周耐久の1stドライバーを務めてくれた。)も、予選総合6位。

15年ぶり・・・ぐらいなのか、筑波のタイムスケジュールは、だいぶ変わってしまっていて・・・
予選も決勝も1日で行うようになって、だいぶ忙しいのかと思ったけど・・・
なんだか待ち時間が長いね。

雨が上がって、今度は全体が黄色くなった(黄砂が飛んできていたんだそうです。)空を見上げながら、オーナーと話をしていると・・・
「あの頃は、決勝前に練習走行の時間があったからだよ。」って・・・たぶんそれだけじゃないんだろうなあ・・

Aパドック全体を眺めていて、暗くなる。
とにかく参加車両が・・・”ハコ”の方が、あまりに減少していることに驚いてしまった。
それに、”ハコ”の方の顔ぶれが・・・ねえ?私が実戦参加していた頃のメンバーじゃない?高齢化だよ。高齢化。まずいぞ。これ。
それに比較して、フォーミュラーの方は・・・10代20代の人達がゴロゴロと・・・しかも女性ドライバーもいる。
正直ホッとする。まだこんなに「車に希望」を抱く若者がいたんだ。
たぶん数年後、「自分がやってきたこと」を振り返って、「壮大な時間と金の無駄遣いだった。」と思うときが来るのかもしれないけど・・・・
それでも皆さんと同じ頃にこの筑波サーキットに現れたおじさんは思うぞ。
「みんな、今しかできないことをやってる。”若い人達”っていうのは、世の中にいっぱいいるけど、
この”戦闘用の車両”を操れるのは、同じ世代では、君たちだけなんだ。」

お金が大変なのは、昔も今も変わらなくて、でも、作った借金は若いほど「なんとかなる。」もんです。
それを返す原動力になるしね。その後の人生において。
それともう一つ。「きっとこれからは、一般公道も安全運転になる。」
正直、今日、新しい挑戦を始めるみんなのスタートに立ち会えて、幸運だと思う。

スーパーFJの決勝スタートをオーナーと共にピットで観る。
彼女さんは・・・・どこかで観ているんだろう。
予選12位の彼は、スタート後、11位で周回して・・・・10位でフィニッシュ。
記録上は、まったく注目されることはないんだろうけど、11位走行中、後方からの攻撃をしのぐだけじゃなく、前方の車を抜いたあとに、一気にそれらを突き放して戻ってきたことに、その力を見せられました。

さて、スーパーFJ初出走の彼ががんばったよ。私達も決勝だ。

TTC1600と混走のTTC1400は・・・・Honda VTECエンジン勢って、やっぱりとんでもなく速いんですね。
同時にスタートしたのに、スターレット勢よりも遙か彼方。逃げる逃げる。
TTC1400のトップ1台が独走のあと、ズラ〜っとEP82スターレットの長い列が・・・・
これだよこれっ!やっぱりN1レースは、こうでなくっちゃ。

記録は、決勝5位。JAF準国内格式シリーズポイント8点を取得。
さて、年間チャンピオンを狙わないとね・・・と、今回のTTC1400のウイナーを見ると・・・・
ヘルメットを外したその髪は・・・女性だった。うわあビックリ。
しかもなかなかの美人だ。ありゃあ・・・・
「サインもらっていいですか?それと、スリーサイズと携帯番号を・・・」(ハアハア

あ、バカなことを言ってないで、AE86レースの方?
ふっふっふ。何も心配していませんよ。彼は表彰台の常連ですから。
今回も、決勝3位。
ただ、「P-FRクラス」と混走だったので、「総合順位での表彰台」となってしまって、彼の出番はありませんでした。あ〜あ。

さてと、「準備体操」は終わり。
エントリー募集が始まっている、光4時間耐久レースE☆1第2戦は、前回同様、筑波仕様のままのEP82N1車両をそのまま持ち込む。
え?今回のTTC14005位車両?
出さない出さない。チャンピオンシップを狙っている本番車に何かあったら大変だ。

「足を日光用にセッティングした方がいいんじゃ・・・」って不安がる声もあるけど・・・
そこまでやることもないよ。どうやっても「日光を走り込んでいるメンバー」には、”タイムでは”勝てないもん。普通はね。
とりあえずは、JAF公認競技組で今の状態での基準点を確認してくるよ。

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コメント 2

銀

どもです。
あの天候の中、レースだったんですね。
お疲れ様でした。

今回の記事も、読み応えたっぷり!
毎回お腹いっぱいです♪
by (2010-03-23 22:27) 

MF308

そうなんです。観戦に来ていた人には、特に大変な天候でした。
それでも若いメンバー見ることができたのはよかったです。


by MF308 (2010-03-25 22:08) 

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