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TECHNO MEISTERで競技用マフラーを作ってもらいました [スターレットをN1車両化]

 

やっちまいましたよ。この2週間、Mac&デジカメのSDHC Class10カードと格闘していました。
結論は・・・3種類の有償ソフトウエアを購入して・・・復旧できなかった。誤って消去してしまった画像データ。あ〜あ。

普段だったら、気にも留めないんですけどね。デジカメのデータなんて。
ただ、今回ばっかりは・・・
大学時代からの友人に誘われて、お花見に行ったんですよ。
その家の子供達と一日遊んだ様子とか、最後に彼が買ったばかでかいおうち(蔵&防風林付)を撮影して帰ってきたんだけど・・・
iPhotoのフォトブックを作ってあげようと思って、Macに取り込んだ・・・・ハズなんです。実験二日目の朝、始発で会社に出発するドタバタの中で。

・・・・なにか、Macの操作を間違えたらしい。
HDDそのものまでデータ復旧ソフトウエアでさらってみたんだけど・・・どうもデータそのものがMacに取り込まれていない状態だったみたい。
よくよく思い出してみると・・・もう、HDD残り容量が25GBを切っていたので、「節約節約」と思って、こまめに「ゴミ箱を空に」ってやっちゃっていたんだよね。
iPhotoから取り込んだ後、操作を間違って「ゴミ箱を空に」としたか・・・あるいは、「取り込みますか?」と出てきたところで、「いいえ」とやってしまっていたか。はあ・・・

普段だと、デジカメのメモリーカードデータなんて、そうそう頻繁に消さないです。
ただねえ・・・今回は、4日間の実験の中で、8GBのメモリーカードが一杯になっちゃって・・・その数枚の写真すら、消さないと「実験試料0mm撮影」ができなかったんだよね。

思い出すら消してしまったその実験は・・・非常に上々の結果だった。ここまで、「一体、俺達がやってるこの実験って・・・ほんとに製品化できるのかな?」って何度も思わされたけど・・・うまくいったぞ。これで世の中に発表できる。

と思ったら。ものすっごく大変な事態が。
商品発表決裁を親会社にお伺いに行ったうちの社長が、大激怒されて帰ってきた。
どうも・・・「他の会社と組んで、特許を取るような商品開発を子会社が行っていた。親会社のリソースを使って。」っていうところに驚かれてしまったらしい。

ははあ・・・やっとわかったよ。
この20年ほど、自腹でいろいろな案件の特許審査を行ってきて、いざ、本登録をしようとすると歴代の上層部がことごとく握りつぶしてきた理由が。
それをやっちゃうと、親会社の説得が大変なんだ。今、初めて知ったよ。

「お前が言っていることは、先走りすぎていて、言われた時にはついて行けないんだ。なにを言っているのか、全くわからない。」
「なのに、だいぶ経ってから、”ああ、アレのことか”って思うことが多いんだよなあ。理解してもらうのは難しいと思うぞ。個性的すぎて。上司が心が広い人だったら、受け止めてくれるかもしれないけど。」
って、日韓ワールドカップの頃に親会社の人たちに言われてた。

あれから10年が経過するけど・・・俺は全く進歩していなかったってことか?

結局、数日後、「うちの社長が交代」になりました。即日交代です。親会社から替わりの人員が送り込まれてきた。あはは〜。やっちまった。さすがに想像を超えていたわ。今回ばっかりは。

ま、たくさんの人に迷惑を掛けながら、それでも前進するんですよ。「みんなで作ったこの品物は、世の中の役に立つ。絶対に。」って信じているもんで。
会社の人たちは、知らない。(親会社も含めて)
後発で取り扱いを始めた製品群で、日本市場3位の大きな会社(誰もが知っている会社)を事業撤退に追い込み、シェアNO1に引き上げた人間が、「新しいオモチャ」を手に入れようとしていることを。
発表にたどり着いたら、世界中の同業者を跪かせてやる。「毎年、命を落としたり、財産が奪われる人たちがいるのに、机の下で手を握り合って”嘘つきの国際規格”で、消費者を騙してきたな。オレ様が成敗してやる」

ま、競技の世界に生きる人間の本性です。
さて、じゃ、その「競技」の方の話しに行きますよ。今回の本題です。「5万円のスターレットをN1競技車両化」の最終回。
「競技用マフラー」のお話です。

実は、2010年に初めてJoy耐を見学した時から気になっていたんですよ。
「Joy耐の騒音規制ってどうなっているんだ?サーキットの自主規制値・・・どころか、JAFの競技車両規則もオーバーしている車両が走っているよね。明らかに。」

今年の「Mini Joy耐」は、全車規制値以下だったと思うんですけど。(やっとね。)

筑波サーキットや、袖ヶ浦はものすごく厳しいです。騒音規制厳守を求められます。日光サーキットだって・・・かわいそうに、コース上そのものでは、騒音規制値を下回っていても、コースに入ってくるまでの公道マナーの問題なのか、もめ事に巻き込まれているって聞いています。

ま、そのような「年々厳しくなる音量規制(だいたいが105dB以下)」を気にしてなのか、今回の「5万円のスターレットN1競技車両化」作業の中で、オーナーが「マフラーを新しく作る。」って言い出してですねえ・・・(遠い目)

「お金かかるじゃん。今まで使っていたマフラーを移植すればいいでしょ?」
「い〜や。今回の車両は、ノーマルの部品をできるだけ使うだけじゃなくて、”もう、毎回毎回車検でドキドキしない。”がテーマなんだから、”きっちりJAF競技車両規則”に則った車両を作るべきだ。」
とうとうと議論ですよ。

「マフラーがらみで規則違反なんてしてないだろ?だいたい、この車両は静かすぎるぐらいだぞ。」って私は思っていたんだけど、オーナーからは、具体的な指摘事項が。
これ。
MAFRA.jpg
いや、別に・・・2007年暮れにオーナーが前車両を引っ張ってきた時から、こうなっていたでしょ?FISCO(現FSW)仕様ってことで。

どこが変なのよ?
「これ、マフラーを出すためにバンパーのところに切り欠きが入ってるでしょ。N1規定の”外装に変更を加えてはならない”って項目に違反してる。」

・・・・・”マフラーを後方に出すこと”だけが規定されているんじゃなかったっけ?
結局、ラジエター周りのパーツや、シートベルトの件で、「溶接熟練者」に頼み事をしなければいけなくなった段階で、私が折れることにしました。
一通り、溶接作業全般をいっぺんにやってもらおう。

マフラーの件で私が抵抗した理由はですねえ・・・実は、この「N1競技車両化」を始めた当初から思っていたことがあって・・・
「N1車両で、最も深遠な世界はマフラー」って思っています。私。
「いや、ECUだろ?速さに直結するのは」って言う人も当然いらっしゃるとは思うんですけど・・・
私、FAの世界で生産ライン丸々1本をプログラムするようなこともやっていたので、「ソフトウエアは、ハードウエアを超えられない。」って思っています。
「ハードウエアをよりうまく動かす」ことをソフトウエアは、容易にやってのけるんですけど、あくまでも「ハードウエアが持っている器」の中の話なんですよね。

今回の私達のエンジンは・・・「ネクタイ組が二人で組み上げたエンジン」
無いな。ECUに金をかける必要は。それどころか、それをやったらすぐに壊れそうだ。

で、JAFの競技規則の中でのN1用マフラーは・・・
1)まずは、先述の通り「車体の後方に排気口を出すこと。その位置は定められた場所にあること。」
2)エキゾーストマニホールドは、ノーマルのまま
EXZOST.jpg
3)触媒は取り外すことも可能(年式によって制限項目がある)
SHOKUBAI.jpg
4)騒音規制を満たすサイレンサーを取り付けること
SAIRENSER.jpg
これだけです。
私は、JAF競技車両規則を何度も読み返して・・・「まいったなあ。魔窟に手を突っ込むのか。」って思ってました。
相当腕の立つ職人さんを探さないと・・・って思ったら、フォークリフト修理係が紹介してくれました。

といっても、紹介してくれたからって、すぐに車を持ち込んだわけじゃないんですけどね。
なにしろ私のチェック項目は、「JAF公認競技をしていたことがあるか?」「人は話してみないとわからない。」等々、厳しいんですよ。飛び込み営業で、お金の回収も日々行っている人間ですから。

何度かお話をさせていただいてから、EP82を持ち込みました。
経営者の方も作業の現場の方々も過去、スターレットで競技を行っていた人たちなんですね。

さて、「N1のマフラー?ただのステンのパイプを車体の後方に伸ばすだけだろう?なにを小難しく言ってるんだ?」って思っている人たちは、まだまだだなあ。
「勝つためのマフラー」とは、どういうものか。
ちょびっと紹介。

いいですか?N1規定で制限されている項目は、上記1)から4)であることを再度確認しておいてね。

まずは、フロア下を流れる空気をできるだけ阻害しないように異形断面構造化。
コレクター部は、精密鋳造法で薄肉化。
テールは、軽量化を追求して、極薄のインコネル625材をハイドロフォーミング加工し、エンジン回転に合わせたパイプの長さと径をチューニングしたレゾ・・・・おっと。危ない。このあたりは喋りすぎだ。

完成したマフラーの写真は、これだっ!
って、いつもだと出すんだけど・・・・
今回ばっかりは無理。
見る人が観れば、解放端の形状を観ただけで、なにを狙っているかわかってしまうらしいので。
排気を吹き出す位置も後輪が乱す空気流を活用する意味で、重要なので・・・大変申し訳ない。後半は、写真が全くなくて。

え?「オマエら・・・たかがN1のマフラーにそんなに金をかけちゃったのか?」って?

ふう・・・まだまだだな。このBlogの読者として。画面の前でそんな独り言を言っているようじゃ。

知らないのかね?このもうすぐ80万PVのBlogが「車Blog界の虚構新聞」と呼ばれていることを!
信じるか、信じないかはあなた次第です!

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