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AT用のエンジンを再搭載(始まりの回) [ノーマルエンジンへの換装]

春が来ましたよ。
あと数日で「新社会人」とか「新入生」とかの季節ですよ。
ただし、その前に「春が来るということは、別れの季節」なんです。

ここのところ、「なが〜くサラリーマン」をされてきた方々のお別れ会にお付き合いする日々です。
「人徳」という言葉そのものなんですかね。
人によっては、「いろいろな人たちから、繰り返しお別れ会」が開催されたりします。
で、私が付き人として、常に帯同。
なんで?

あ〜・・・いや、私の勤務する会社って、「55歳の時に60歳後のことを決めてね。60歳を迎えた後も、65歳まで勤務することは可能。で、業務に重要な特殊な能力を持っている方々は、その後も半年、あるいは1年ごと契約更新で、70歳まで勤務可能。」という会社なんです。

外人達にこの話をすると、ものすごくびっくりされる。
っていうか、「あなたは、この会社に20年以上も勤務してるのか?」って100%驚かれるどころか、親会社の私よりも若いメンバー(日本人)に「あなたがなんで、こんな会社にずっといるんですか?みんな、この会社に来る人は、過去に問題を起こした人たちだって思っています。」って、ズバッと言われたこともあるんだけどね。
あるいは、取引先の方々に「あなたは一体どこから来たんだ?」って良く聞かれる社会人生活だった。

ま、企業グループ内の子会社って、「人材受け入れ会社」の側面があるってことは、理解してる。

でも「問題を起こした人を送り込む会社」という解釈はどうかなあ・・って思うようになりました。歳をとったせいか。
「権力闘争に敗れて、過去、ものすごく偉かった人たち」のお相手をするようになって、まあ、相当な長い期間が経過。
そういう人たちって、決して過去のお話をしないんですよね。
「なぜ、この会社に来ることになったのか。」は、実は、そのきっかけを作った当事者(私ぐらいの年の人たち)から、直接聞くことが多いです。10年後ぐらいの・・・ずっと後になってね。

その当時の若い連中がしでかしたことを防波堤になって・・・というか、人身御供みたいになってうちの会社に来たって人が結構いらっしゃいます。

で、私が一緒に仕事をする期間がだいぶ長くなった後・・・私も少しわかるところがありましたよ。
「どうも、サラリーマンって、すごく偉くなってしまうよりも、特殊な技術を持っている人で、あんまり偉くなれなかった人の方が、長い期間勤務できるみたいだ。工学ができるってことは、なんてすごいんだろう。」

現役の頃、このおじいさん達を追い落とした人たちなんて、とっくに企業グループからは引退していて・・・それでも、このおじいさん達は、請われて勤務を続けてきた。
うちの会社を任期満了になっても、なおも周辺の会社から「週に1回か、2回でいいから出勤して欲しい。」なんて言われて。

「お前は、俺がここでやってきたことをいなくなったことを良いことに放り出しそうだから、内線が通じる場所から監視する。」とか言っちゃって、延々勤務されるんですよ。うちの会社を出た後も場所を変えて。

私も「通勤できる限りは、目が届く範囲で勤めていてください。で、くたばるときは、会社でくたばってね。葬儀は我々が準備しますから。独りでくたばられると厄介です。」なんて言ってました。
(過去、親会社の人たちから、”あなたは、あの人達と仕事をしていて怖くないのか?”って何度も聞かれることもあったんだけど・・・私にとっては、”いいおじいさん”だった。みんな。)

さすがに寄る年波には勝てなくなってきたみたいです。
「もう通勤にさあ・・・疲れたよ。ほんとに会社勤めってやつをやめることにしたよ。」
夕方、我が社に来てもらって、みんなとお別れ会を開いたときに最後の挨拶で、「半世紀近くの間、いいサラリーマン人生でした。」って言いきったときには、「へえ〜。別れの挨拶でそう言い切った人は、初めてだよ。」って驚いたけど、もっと驚くことが。

別の日、協力会社の皆さんとその方の「お別れ会」を開催したところ・・・
宴の最後で、「一番若いヤツから、送る言葉をどうぞ。」と振ったんだけど、あれ?
何だか話の途中で泣き出してしまって・・・その後、「私からも一言」って若い男性陣が次々と立ち上がって、みんな・・・なんで泣いてしまって、最後までちゃんと挨拶ができないんだ?あ〜ん?

若い連中が、泣きながらお別れの話をする会なんて初めてだよ。
え〜と、じゃ、22歳社会人2年目、Mayaを操作できる魔女よ。指名だ。だらしない男性陣に変わって、締めの挨拶をしてくれ。
「なんか・・・みんなの様子を見ていて、私この2年間、ダメだったなって思いました。明日から、心を入れ替えてこのプロジェクトを一生懸命やるようにします。」

あ、うん。ズバッと言ったね。そうなの?3D-CADを作りまくってくれて、だいぶ助かったんだけど、今までの力は100%じゃなかったの?

この「宴会の最後にみんなが泣いてしまう。」様子を見ていて・・・残念ながら、私は全く泣けなかった。
「今まで頼っていた人が、いよいよいなくなる。これからこの社会人数年の連中と共にやっていかなきゃいけない。うまく進むことができるだろうか・・・」
そればっかりですよ。なんかねえ・・・ほんとに自分が「おミドル様」なんだと認識する会になりました。歳をとったねえ。
自分は、このおじいさんぐらいの歳になったときに、みんなにこんなに頼られるようになってるのかね?
・・・・自分に不安。大丈夫かオレ。

さて、Blogと全然関係ないお話はおしまい。
今回も前振りが長かったねえ。しかも、ここから先の話にホントに全然関係ない。
今日の記事更新ここまででいい?

え〜と・・・どこまで書いたんだっけ?
そうそう。駆動系は一通りバラしてチェックが完了したんです。2013年Joy耐前に。
で、ドライブシャフトを再び車体に取り付ける前にフォークリフト修理係が「ABS付用ブレーキキャリパー」をオーバーホールしてくれました。
バラした結果、わかったことは・・・「シリンダーが摩耗して、ガタが出てる。」
どうも、ツインリンクもてぎに持ち込んだときに「ブレーキがグズグズ」って感じる原因は、ここだったみたいです。
シリンダーのシャフト側の問題じゃなくて、キャリパーの鋳物そのものが摩耗しちゃってる。
仕方がないので、また保管ガレージをゴソゴソ捜索して・・・結局、他に2セットバラしてもらったんだけど、どれも同じような傾向。
「その中で具合がいいモノ」で1セット組んでもらいました。
このあたりの写真が・・・撮ったハズなんだけど、みつけられない。
申し訳ない。
わかったことは、「キャリパーのオーバーホールのためには、ピストンを出すためにエアツールが必要。」ってこと。
・・・持ってない。コンプレッサー。
電源が必要なんだよね。コンプレッサーって。保管ガレージには、単相2線100Vしかないから無理。
あと、この作業の結果自体は、ツインリンクもてぎで確かめることはできなかった。私が全く乗り込まないまま、イベントが終了しちゃったからね。2013年は。

で、その「エンジンブローしてしまった4E-FEエンジン」をいよいよ換装・・・って思ったんだけど、その前に保管ガレージでホワイトボードを持ち出して打合せ開始。

出席者は、オーナー夫妻&私の3人。
これからの作業は、このトリオで進むことになります。
ま、その前に打合わせ・・・というか、会議ね。会議
なんたって、ネクタイ組ですから。なんでも「作業前に会議」大好きなんですよ。会議。(ひつこい)

さて、エンジンが壊れちゃったEP82を前にして、「これからどうする?」
選択肢は3つ。
1.自分たちで再びエンジンを組む。
2.プロにまかせて耐久用のエンジンを作ってもらう。幸い筑波サーキット近くにKMSさんがあることをこの数年で学んだ。
3.このボディは、18,000kmしか走行していなかったんだから、そのボディに搭載されていたAT用エンジンを再び載せる。全くなにもいじらず、そのまま。

2010年にエンジンブローした時に比べると悲壮感はないんです。まったく。
なんたって、「俺達には予備エンジンが2基もある。一度エンジンを組めたんだから、もう、なんだってできるぜ。」って感じ。
私は、「さて、もう一回みんなでエンジンを組もう。」って言ったんだけど・・・
オーナーから冷静に一言。

「2010年にエンジンが壊れてさ。それからって、毎年毎年整備に追われてるような気がしない?イベントの一ヶ月前ぐらいにやっと車両が走れるようになってさ。で、”とにかく動くようになった”ってだけでイベントに臨んでいるような気がしない?」

まあ・・・そう言われると、そうなんだよね。激しく。
練習時間がほとんど取れないから、何だか運転が下手になったような気がする。っていうか、「また壊れるんじゃないか?」って思うようになって、私は本気で踏めなくなったよ。ここ数年。

ふ〜む。

出した結論は、3。
「元々このボディに搭載されていた、走行距離18,000kmの4E-FEエンジンを全くいじらずにそのまま再び載せる。」

あまり走行していないエンジンだから、もう壊れることはないんじゃないか?という予想。
じゃあ、どんな作業をしなければいけないかも確認しておこう。
1.AT用のエンジンだから、マニュアルミッションにドッキングできるように作業する。
2.タイミングベルトだけは新品に交換しておく。他は一切いじらない。
3.パワーステアリングや、エアコンを外してしまっているから、それらに対応できるように配管をやり直す。

よし。じゃ、まずは、降ろしておいたエンジンから、AT用の部品を取りはずそう。
AT用エンジン.jpg
このエンジンのお尻についているまん丸いヤツを外さないと、クラッチを取り付けられないね。
「これ・・・なんか外から見ても、全くボルトとかないね。どうやって取り付けられているんだろう?」
「たぶん、エンジンに向かって、この丸いのが差し込まれてるんじゃない?きっと、バールでコジると外れるんだよ。」
「ふ〜ん。んじゃ、やってみようか。」
AT部外し作業.jpg
バールをこのまん丸のヤツと、ギザギザの薄いプレートの間に挟み込んで・・・・
ガコガコガコガコガコガコ・・・・
「交代。」
ガコガコガコガコガコガコ・・・・
「ふう・・・ハアハア。何だか体が火照ってくるわ。はい。交代。」
ガコガコガコガコガコガコ・・・・
「なんか・・・ホントに外れるのかなあ・・・汗がものすごいよ。はい。交代。」
ガコガコガコガコガコガコ・・・・

30分ほども古タイヤの上に載せた4E-FEエンジンと格闘する3人。全員汗だくだ。

ちょっと待ったああああ〜!なんかいくら何でもおかしいよ!外れてないような気がする。」
「そうかなあ・・・ほら、なんか隙間が広がってきたよ。もうすぐだよ。」
「いやいやいや。待て待て。なんか隙間からボルトが見える感じがする。秘密兵器を使おう。」
取り出したのは、超ロングレンチと

フッ素潤滑材

「いつもAE86レースの彼に”この車両は、全てのボルト、ナットがゆるゆるだ。”って言われていたでしょう?さすがにまずいなって思って、道具に頼ることにしたんだよ。この作業を始める前に事前に買っておいた。これなら、中に見えるボルトみたいなヤツにもかかるよ。」
おおっ!確かに隙間に見えるボルトが緩み始めた!
やったあああ〜!外すことができたぞ。この丸いヤツ。
外れた.jpg
点検してみると・・・薄いギザギザのプレート側から、ボルトで留められてた。
外したAT側.jpg
やったなあ。うまく外すことができたよ。と、そこにAE86レースの彼がやってきた。

「ねえ、もうこれでクラッチつけられるの?この薄いギザギザのヤツの上に」
外したエンジン側.jpg
「できないできない。それ、フライホイールじゃないから。全く別物。
「その歯がついた薄いプレートを外して、それからフライホイールを取り付けるんだよ。でも、その薄いプレートを外すの、難しいよ。ものすごく。」

え?そうなの?だって、白く見えてるボルト6本で留められてるだけじゃない。こんなの緩めるの簡単だよ。
「まあ・・・やってみな。1本も緩められないと思うよ。

ええ・・・もう、その言葉通りでした。
たった6本のボルトを緩めるのに涙涙の壮大な物語が・・・
たぶん次回、「脚本家のたまちい」が降りてこられるのは、GWのあたりだ。チャオ!

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