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我が妻がガンになりました。(お金のやりくり編) [我が妻が癌になった。]

先日の山手線の中での話。


ドアの上の液晶画面に深キョンが映ってる。

「このCMさあ・・・許せないんだよね。」

「何がですか?」

「だってさあ・・・この黄色い布切れを見てさあ・・・ラムちゃんだって言われても・・・」

「はあ」

「あ、わかる?うる星やつら」

「あ、いや・・・リアルタイムでは見てないので・・・でも、再放送で見たことがあります。TV。」

「俺はねえ、週刊少年サンデーに連載されていたのを読んでいたんだよね。連載初回から。友達のお兄さんが、毎週買ってきたのが、積み上がっててさあ・・・で、”うるぼしやつら”とかって読んじゃって、友達にすごい笑われてさあ・・・」

「今、すごい昔話をしてるんでしょうね。数十年前の。山手線から、遠くの方見てる。目の前ビルだけど。」

「おかしいんだよね。だってさ。ドロンジョ様の格好はしてくれたんだよ。なのにそんな人にこの黄色い布っきれを被れなんてさあ・・・スタッフ・・・失礼だよね。あ、わかる?ドロンジョ様。あのタツノコプロの名作。タイムボカンシリーズの第一作で・・・」

「あ、もういいです。うちの課のメンバーから、”あんまり関わるな。”って言いつけられているのね。”あいつは、客の前以外は、だいたい言っていることが冗談だ。”って言ってました。」

「あ〜。うん。いかんな。今時の若いもんは。そう言うことを本人目の前にして言っちゃ。年末の挨拶をまわり切れないっていうから、私が手伝っているのに。だからな。深キョンには、正当なラムちゃんの格好をしてもらいんたいんだよ。虎模様の水着的な。

「アレじゃないですか。歳、とったんでしょう。深キョンも。」

「オレたちの深キョンは、歳を取らない!」

「あ、声大きいです。みんなこっち観てます。何やってるんですか。ほんとにも〜。これなんだなあ・・・うちの課長が、お姉さんたちに取り囲まれて、詰問されていたの。」

「????」

「あんなのにこの子を1日任せて大丈夫なのかとか、なんとかって・・・」

「あ〜、だからみんな私の方を観てたのか。会社のお姉さんじゃなくて、会社のお母さんたちだろ。チミ、なんだかみんなに大事にされているもんなあ・・・若いって、いいわね。

「いや、あの・・・うちのお母さんより年上・・・」

「ウっヒいいいい〜!!!絶対そんなこと社内で言うなよ。みんなショック受けるから。え?・・・ひょっとして、深キョンすらお母さん目線・・・え?え?お前さん、今年大学出て、我が社に入ったんだよね?」

「・・・・・・」


あ、ちょっと!!なんで、先に降りちゃうの!荷物!カレンダ〜たくさん置いてかないで!!ちょっとおおお〜!


え〜と、なんの話をしたかったんだっけ?今回。

深キョンが、お母さんの歳・・・違うぞ。その話じゃない。


うん。そうだったよ。現実逃避したい話だった。お金の話。それも、ガンに関わるお金の話だったよ。


先に結論を言っておくと、舌癌ステージIでは、JOY耐1回分のお金が必要でした。

これは、病院に「限度額適用認定証」を提出していながらも、支払いする必要があった金額です。

我が妻の場合、個室で入院させたので、費用が跳ね上がったという事情もあります。

入院させる前に病院から説明があったことは・・・

1)費用の分割払い(カード払い等)は、可能

2)健康保険組合から、限度額適用認定証を入手して、提出してほしい。

3)高額療養費制度も利用することができる。

4)請求は、月1回。午前0時を過ぎると、”入院1日”扱いになる。よって、入院日、退院日も1日として費用請求することになる。

5)支払いは、請求金額が確定してからで良い。振り込みも可能。


この最後の5)については、結局、振り込みなんてしないんです。退院後も月一で検査に通うことになるので、その時に支払いをすることになります。


で、ここからが「保険」の話。

「健康保険組合」関連の話は、上記1)から5)まででおしまいです。

色々と考えさせられてしまったのが、「生命保険」の方。


私の場合、同時期に母を胃癌で亡くしています。

で、その母の方になるのですが、「介護保険」を掛けていたんです。公的な介護保険ではなく、損害保険会社が運営する「介護保険」の方。


死亡時保障はなくて、「介護状態に陥って、家に何か工事が必要になった場合に備えて」というタイプだったのですが・・・間に合わなかった。


「公的機関(市役所)が発行する介護認定証が”介護レベル3に達したら”作動するタイプの保険」だったのですが、間に合わなかった。


市役所の認定証は、2ヶ月程もかかるんです。(初めてだったから、知らなかった。)

要支援レベル2だった母が、今年のゴールデンウイーク前に歩行が困難となり、市役所の担当の方に観ていただいたのが、ゴールデンウイーク中。

その時点で、手すりやおトイレの改装、ベットの交換を実施したのですが、結局、更新版の介護認定証が実家に到着したのは、亡くなった二日後。


「介護保険って、間に合わないってことがあるのかあ・・・知らなかったなあ・・・だからこそ、商売として成り立つのか。作動する人もいれば、捨て金になる人もいるっていう・・・」


なんとも・・・なんともね。実体験で思い知ってしまった。

介護保険って、「長患いする人」向けの制度なんですよ。


かと思えば、我が妻の舌癌治療費は、医療機関への支払いこそ現金の工面が必要だったのですが、その後、生命保険会社への請求が認められて、結果的に我が家への財政負担は0円となりました。

医療機関に提出した、生命保険会社からの記入シートの返却に数ヶ月かかって、その間、少々お金周りが難儀しましたけどね。


医療特約執行時に保険会社担当者からは、一言。

「ある年代になると、日本の場合、二人に一人、癌になる時代です。なので、今回もこの特約が作動することになりました。ただ、注意をお願いします。このお支払いする費用で、もし、余るようなことがあった場合、使わずに貯金をお願いします。


何を言っているんだろう?なんでそんな話を今、するんだ?

「ガンは、転移をすることがある病気です。残念ながら、この特約は、再びお付けする(支払う)ことができない特約です。ガン特約をお支払いしたお客様で、時々いらっしゃるのは、医療費を精算された後、何か別のものに残金を使ってしまう方がいます。」


まあ、まとまったお金が入る人もいるんだろうからねえ。契約によっては。

数年後、再び癌が見つかった場合、今度は何もお支払いすることができないんです。それを想像することができない方がいらっしゃるので、気をつけてください。」


そういうことか。

我が妻は、先日も検査に行ってきて・・・

「舌が痺れるって言ったけど、様子をみましょう。だったよ。今月も。」


まあ・・・お医者様からは、「ガンは、完治したというまでに5年かかります。」と言われたしね。

保険って、色々と悩むこともあるけど、やっぱり「貯金するぐらいなら、その金で保険に入っておけ」だと思いました。今回も。


一度、入院してしまうと、貯めていた貯金なんて、あっという間に出て行ってしまいますから。交通費も含めてね。

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