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WAKO'Sのリムーバーが必須です [N1仕様エンジンの製作]

ペコちゃんのベロってなんで出てるか知ってる〜?」
へ?いきなり何を聞くんだい?姫。
脇ではオーナーが鬱々とシリンダーブロックを磨いてる。(いつになったらきれいになるんだろう?これ)

「知ってるよ。ペコちゃんはね。ケーキ屋さんの子だから、毎日ケーキがおいしくって食べてたの。」
「でね。お母さんが”歯を磨きなさい”って言っていたのに、いつも歯を磨かなくてほっといたんだな。どうなったと思う?」
「・・・・」
歯が全部無くなっちゃったの。」
「・・・・」
「歯が全部なくなっちゃうとね・・・舌がぴろんって出てきちゃうんだよ。だからベロがペロって出るようになっちゃったんだよ。ペコちゃん。」
「嘘だもん!あれは、お菓子がおいしくって、口に付いたクリームを・・・」
「ホントだよ。うちの犬のメリーは、おばあさんになった時に歯が全部なくなっちゃって。ほんとに舌が常にビロロ〜ンって出っぱなしになっちゃったもん。歯は磨かないとダメなんだぞ〜。」
あ、走って逃げてっちゃった。そんなにショックだった?今の話。

なんでペコちゃんの話?
いや、クリスマスが迫る中、先日も作業させてもらったんですよ。ガレージオーナーの家で。
で、いつも休日になるとお騒がせしているので、ケーキでも買ってこうと思いましてね。ええ、もう街はクリスマス一色。ちゃんとケーキもクリスマスバージョンですよ。年に一度のかき入れ時ですよ。

「単身赴任のお父さんが帰ってくる前にクリスマスケーキを置いてやる。父ちゃんの買ってきたケーキの価値を落としてやるぜ。フエッヘッヘッヘ。」
とかって、どす黒い思惑ですよ。クリスマスなのに。
クリスマスケーキを買いに行くとねえ・・・毎年思い出すことがあるんですよ。
あの日も「舌が出っぱなしの女の子」のお店にケーキを買いに行ったんですよ。24日に買ったケーキを食べ終わっちゃったので。25日も。今度はチョコレートケーキ。
ケーキの箱を受け取ったら・・・ウキウキですよ!全速力ですよ。自転車。自宅まで。夜の暗い道を照明もつけずに・・・しかも片手運転。

気がついたときには歩行者保護用の欄干にバイイ〜ンとおおおお〜!!!!激突!
体が自転車から放り出されながらも・・・ふっ大丈夫だぜ。左手にしっかり握ってる・・・ってあれええええ????

地面に転がりながら見たその先には・・・ケーキの箱があああ〜!なんでえええ?オレ、ちゃんと箱を握って・・・あれえええええ?

左手を見ると、握っていたのは「箱の握りの部分」だけ。衝撃で吹っ飛んだケーキ本体部分だけが、きれいに星空の中を舞って・・・

地面にたたきつけられた私の視線の先には、ブイイ〜ンと遠くに飛んでいくケーキの箱が・・・
走馬燈・・・ってあるんですね。ものすっごくゆっくり感じました。その時間。
四角いケーキの箱がボイ〜ンぼいんぼいん・・・・とおおおお〜!
転がっていったよ。ケーキ。
地面を・・・何回転したんだろう?

・・・・・箱の中身は・・・見ない見ない。っていうか、見る勇気がない。そのまま我が妻に渡しちゃおう。
数分後、我が家では叫び声が。
「キィャアアアア〜!」
「諦めろ。こういう運命だったんだ。こんなこともあるさ。

痛い痛い。ほんとに。さっきコケてケガしたところを狙わないで。
皆さん、この時期は暗くなるのが早いですからね。無灯火片手運転は御法度です。

さて、今回は、そんな”クリスマスにまつわるホラーなお話し”をガレージオーナーの姫とお話をしていた時の作業です。
先に宣言しておきましょう。
エンジンバラすなら、「WAKO'Sのガスケットリムーバーを買っておけ。」

前回の取り出したバルブの写真を見た人の中には、「なんだよ。汚いなあ。」って思われたと思います。
私も気になっていて、「スラッジ落とし」っていうのを買っておいたんです。個別に作業しようと思って。
買ってきたスプレーをガレージオーナーが見たとたん・・・
「たぶん、これじゃダメだぞ。燃焼室のカーボンってのは、ホントに取れにくいんだから。」

そんなことないよ。こら、バルブにかけておけばほ〜ら・・・・・全然変化無し。
どうしよう?(実は、この時はNGだったんだけど、後々重宝することになるんです。このスラッジ落とし。)

「WAKO'Sのリムーバーを使うんだよ。でも・・・・これはものすごく高いんだ。俺は仕方がないから、ホームセンターでうってるサビ取り剤を流用してる。」
あ、そうなの?さっそく購入。ペンキ売り場に売ってた、刷毛塗りのやつね。

・・・・・変化無し!全然ダメじゃん!カーボンには。

仕方がないから買ってきた。WAKO'Sリムーバー。
開ける前に取扱説明の欄をよく読むと・・・・「6ヶ月以内に使い切ってください。」って書いてある。
・・・・失敗したなあ。こんな高いスプレー。使い切るわけ無いよ。

結局・・・・大活躍になるんです。WAKO'Sリムーバー。
すごく取り扱いに注意が必要です。だって、「皮膚に付くとすぐに痛くなる。激しく。」
ゴム手袋必須です。それと子供は近寄らせられない。絶対に。

じゃ、せっかく手に入れたWAKO'Sガスケットリムーバーを使って、ヘッドガスケット周りの掃除をしよう。
おおおお〜!取れる取れる。ウエスを使ってコスコスコスコスコス・・・

RIMUBER.gif

「じゃあ、だいたい取れたところで、シリンダー寸法を測定しようか。」
「え、いいよ。測定しなくても。めんどくさそう。」
「バカ言ってんな!ずっとほっといたって言うんだから、シリンダー径がどうなっているのか知っておかないとダメだろう。場合によっては、もう一基探してこないとダメかもしれないんだぞ。」
ふう・・・・めんどくさいなあ。

用意されたのは、マイクロゲージと・・・

MICROGAGE.gif

なんか、寸法を測る測定器。(名称がわからん。)

SHIRINDAR.gif

どうやって使うの?これ。ノギスをシリンダーの穴のところに当てれば良いんじゃないの?
「それじゃ、両端しかわからないだろ。大事なピストンは、このシリンダーのZ方向を上下するんだぞ。直径の”縦””横”2点だけじゃなくて、それをシリンダーの端まで徐々に降ろしていって、変なゆがみ方をしていないか調べるんだ。」


ふ〜ん。んじゃ、器具を使うのがオーナーで、私はノートに数値を書き込む係ね。
まず、マイクロメータに”基準”を作るのね。え〜と、4E-FEエンジンのボア径は・・・74mmね。

KIJYUNNCHI.gif

シリンダー4本とも測定した後・・・試しに「壊れたエンジン」の方も調べてみようか。
エンジンチューナーが手を入れたエンジンを測定した結果は・・・
「ああ、レギュレーションの解釈として・・・これはありなんだな。」という数値。
あ、いやいや。喋りませんよ。このあたりが「お金をいただくプロの仕事」なんでしょうから。確かにレギュレーション違反もしていなかった。

ただ、両方を調べていて気になることが・・・・
「ねえ、今掃除しているエンジン。なんかシリンダーのところに”シミ”がある。チューナーさんのエンジンには無いのに。」

BUROKKU.gif

「どれどれ。あ、まいったなあ・・やっぱり長年ほっとかれた影響みたいだなあ。たぶんだよ。これ」
「ふ〜ん、それってピストン入れれば取れるんじゃないの?」
「取れない取れない。っていうか、危ないぞ。ピストンが引っかかるかも。」

・・・・あり?ひょっとして重大な局面?今

あ、ちなみにWAKO'Sガスケットリムーバーは・・・・あっという間に1本使い切りました。
すごく便利なスプレーだったんだけど・・・・
別のメーカーを買ってみました。次。比べてみないとね。

こちらは、WAKO'S程じゃないけど、やっぱり便利に使わせてもらっています。こっちの方が安全。あ、やっぱりちょっと痛いかも。