SSブログ

決勝が終わると恐怖の時間が始まるんですよ。 [JAF準国内格式選手権2011]

堅牢なカーボンモノコックシャーシに囲まれていても命を落としてしまう事ってあるんですね。モータースポーツ。
日本ではあまり報道されなかったようですけど、非常に残念な事故がアメリカで発生しました。命を落とされたのは、インディジャパンやインディ500でも優勝したことがあるヒーローです。
それともう一つ。この最終戦で、「女性モータースポーツドライバーの華」が引退されることになりました。
彼女に贈る言葉は・・・・「命を落とさずにINDYを去ることができて良かったね。パトリック。」

今回の記事は・・・このIndyの事故ではなくて・・・その数時間前まで日本の筑波サーキットで開催されていたローカルレースのお話。
FJ1600とTTC1400のメンバーは、よく考えるようにね。「明日は我が身」って思ってないよね?何度も繰り返してるし。いつか重大な事故が起こるぞ。本当に。

さてと・・・皆さん、アナログTVってどうしちゃいましたか?捨てちゃった?とっくに?
再利用考えましょうね。ゲームマシンに接続するとか、筑波サーキットに持ってくるとか。
「筑波サーキットにアナログTV?」
はい!みんな。朝6時半集合は、「アンテナケーブル忘れて取りに戻った」おかげで遅刻しちゃったけど、秘密兵器を持ってきたよ。
じゃん!「ブラウン管アナログTV様御鎮座ましました!」

アンテナ&電源を配線。「よ〜し。さすが電気工事士のオレ。ちゃっちゃと完了だぜ。みんなにオレ様の才能を見せつけちゃうよ。さあ!全員集合!はい。ブラウン管の前で全員正座!いくぞ!電源オーン!」
プチッとな。
全員「??????????あの・・・・映らな・・・あ、なんか文字が出てきた。目が・・・・悪くなったのかな?俺たち。」
ありゃ?
父ちゃんに「このほったらかされてたTV。ちゃんと電源入る?」って確認して持ってきたんだけど・・・なんだろう?なんか文字が・・・・ものすごく滲む。アナログTVってこんなものだったっけ?
冷たいピットの床に正座させられていた全員が、「は〜あ。」と無言で立ち去っていく。あ、あの・・・
おかしいなあ。なんでだろう?って思いながら、TTC1400の車検準備を進めて・・・なんかみんなが騒いでる。我々のピットのところで。「やったぞ!AE86レース予選1位だ!」とかって・・・なに?
あ、ちゃんと映るようになったじゃん。すげえな。AE86レースの彼が、ポールポジションだよ。
timing.gif
なんだ。単にずっと電源が入れられてなくて、ブラウン管が暖まるまで、画像が安定しなかったんだ。よかったよかった。すごく重要な武器を手に入れた。これで、予選状況を把握して、ピットサインを送ることができる。
いつも通り、雨で濡れている状況の難しい予選は・・・6位。出遅れ気味?まあ、15周あるからね。
と・こ・ろ・が。
FJ1600予選で、「筑波サーキット1周全部オイルばらまき事件」が発生。これで1時間タイムスケジュールが遅れて・・・後々の混乱につながっていくんです。
遅れているスケジュールの中、いつも通り大応援団が到着。
曇天の下で、腰に手をついてゴッゴッゴッと・・・すごいねえ。ショート缶だけど、幼稚園に行くようになって、一気飲みができるようになったんだね。あ、空き缶?大丈夫だよ。捨てておくから。はい。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・リアルゴールド?」
直ちに父親(フォークリフト修理係)のところに直行。激しく両肩を揺さぶっちゃいましたよ!
「なあ!まずいだろう!これ!幼稚園児が日曜日午前中から、リアルゴールド一気飲みってなに?」
「あ、う〜ん・・・なんか、彼も疲れてるみたいなんですよね。幼稚園の運動会とかで。」
そういうことじゃないんだよ!誰?「疲れたおじさんの味」を幼稚園児に覚え込ませた「悪い大人」は?
こんな調子じゃ、小学校に上がる頃には「オレ、ユンケルスターじゃないと疲れが取れないんだよね。」とかっていいながら、ストローで飲んでるぞ。チュウチュウ。
も〜おじさんびっくりしちゃった。日曜日の朝から。あ、AE86レースの決勝が始まった。
今回は、我が妻を初めてスプリントレースの現場に連れてきたのだ。どうにも「我々の耐久レースに集まるメンバーが、蒼々たる顔ぶれ。」っていうのが、いっくら言ってもわかってもらえないみたいなんで。
ポールポジションからスタートした彼は・・・そのまま一度も首位を渡すことなくトップチェッカー。
yusho.gif
ほらね。すごいでしょ?
我が妻もすごくびっくりしてた。「なんか・・・集まる人たちがみんな”人が良い”ってのは、わかっていたけど・・・ほんとに速かったんだね。」
朝早くからついてきたほんとの理由は・・・先日の「ベルギーワップル全部食べちゃった事件」のお詫び商品を私が全員にちゃんと配るかどうか、目を光らせるためだったのだ。
なんだかこの「マドレーヌ」は、有名なお店のヤツなんだって。みんな食べてね。ふう・・・今日の任務終了だな。

ドライ路面になったTTC1400決勝は・・・その前に行われたFJ1600決勝が2回も赤旗になって・・・
12周の短縮レースになった。
どうもこの決定が・・・ドライバー全員を追い込んだらしい。
決勝スタート。すぐに5位に順位を上げて・・・まもなく最後尾になった。
どうも1ヘアピンで接触されたらしい。まあ、大きな損傷じゃないみたいだしね。前回同様追い上げてポイントを取れれば・・・
どんどん最後尾のメンバーに追いつく。って、あれ?なんかものすごく遅れてホームストレートに戻ってきた。
そのまま1コーナー出口でストップ。今期2回目のリタイヤ。完走率50%だよ。も〜・・・
決勝が終わって、車両から降りた・・・あ、「どてっぱらを大きく凹ましたドライバー」のところに近づく。
「バトルになるようなら、止めに入らなきゃな〜」と遠くから様子をうかがっていたら・・・こっちにも他のドライバーが近づいてきた。
「すいません。最初の最後尾の原因作ったの私です。」
あ、いやいや。ドライバー同士で話し合ってね。
戻ってきた彼に話を聞くと・・・・「うん。まあ、確かに最初はお尻から押されちゃって、ハーフスピン状態になって、最後尾に落ちたんだけどね。損害はそんなに大きくなかったんだ。」
「最後のリタイヤ原因になったクラッシュは、こっちが”全然関係ない先を走っていた車両”に突っ込んで行っちゃったんだ。芝の上に押し出されてブレーキを踏んだ瞬間、”もう止まらない”って悟ったよ。悪いことしちゃったな〜。滑走して、ドアに突っ込んだんだ。それなのにこっちが逆に体を気遣われちゃったよ。ほんとに申し訳ないことした。」
「最後の最後、芝生にまで押し出すのはやめて欲しいんだよなあ。ヘアピンでそんなことをやったら、自分の目の前を横切ることになるのは、考えればわかることなのに。」
フェンダーがタイヤに食い込んでなかったので、そのまま走ることも可能だったと思うけど・・・
「いや、フレームにダメージが及んでいたらボディを捨てなきゃいけなくなるから、やめた。」
決勝リタイヤ。なにも残らない。さあ、片付けようか。
その後・・・ヤな予感が的中。
3時間・・・・どころか、今回はついに「5時間経っても帰ることができない。」
machijikan.gif
なんだか「抗議書合戦」になったんだそうです。
FJ1600で大変大変疲れる事態になっていた主催者の皆さんは・・・「絶対に引かないTTC1400の連中」を前に、少々手際が悪かったらしい。
「決勝終了後、車両保管30分」ってなんのためにあるんだっけ?
主催者さんだけじゃなくて、全員思い出そうね。抗議書を出す場合は、「保管されている車を観ながら話をしましょう。」って一言添えること。

疲れちゃって、判断が鈍っていた主催者さんは、本来は「後日こちらから連絡します。」といったん事態を収拾するべきだったと思うけど・・そうできない状況に追い込んだの、参加者のみんなだろ?

「抗議書」ってさ、確か2万円かかるんだよね。
そのお金使ってさあ・・・「次回は、あいつよりも絶対に速く走ってやる!」って練習した方が、よっぽど有意義じゃない?
みんな、なんかさ・・・「自分がやられた。やり返してやる。」みたいな感じになってたけどさ。
数日経って、冷静になったところで、胸に手を当ててよく考えて。
「騒いでいる俺たち、全員2位以下」

今回も1コーナーをトップで進入して、ぶっちぎりで優勝しちゃった彼女ってさ、何で速いか知ってる?
「土日の練習日には、必ず走行している。」
練習の虫だよ。
彼女の走行マナーには感心したことがあってさ。
私がガレージオーナーのダートトライアルSC車両の慣らし走行をしていた時に・・・
2ヘアピンで完全に横を向いて止まっちゃったマーチが(完全にエンジンも停止していたらしい。)いたんだよね。
当然、ポスト員さんは、「激しく2本振動」
私は、イン側にEK4を完全停止させて・・・「これ、後ろをすり抜けようとする車両がいたら、マーチのドライバーは・・・面倒なことになるな。」って思っているところに彼女のEP82が到着。
どうするのかな・・・・おっ。アウト側完全停止。これで、全員が一時停止するしかない。さすがTTC1400のトップドライバー。マナーも二重丸だ。
彼女に連れられてきていた、たくさんの車両がそこで完全停止して・・・無事にマーチは、エンジンを再スタートして、ピットに戻ることができたんです。
彼女はいつも練習走行をしている。対して、あの日「抗議書合戦をしたみんな」は?
彼女に勝てない人たちが、なんだか外でワアワア騒いで・・・・そんなに関係者みんなを追い込んじゃって、気分が良いか?
もし、これで、次回相手がエントリーしてこなかったりしたら・・・
「ざまあみろ!」じゃなくて・・・・たぶん、みんなが最初に思うのは・・・
「あいつ、どうしてるかな?」

本当に巻き込まれちゃったのは、「混走競技のTTC1600」の皆さん。可哀想に決勝終了後、まっくらな筑波サーキットに拘束されて・・・・
ほんとに嫌われちゃうぞ。TTC1400。
6時間経過。
「ねえ。俺たちリタイヤ組なんだからさあ。”順位に関係ない”って言って帰っちゃおうよ。」
「ダメだよ。そんなの。みんなで参加してるんだから。」
はいはい。
予想通りの答えで、泣けてくるよ。まじめだなあ。みんな。私が背広を着ている時じゃなくて良かったね。
私は帰るよ。付き合ってられない。
我が妻と家路を急ぐ。
「みんなさあ・・・結局、人が良いというか、みんな仲間だと思ってるんだね。だって、あんなに長い時間待たされてるのに誰も暴動とか起こさなかったじゃない。私、すごいなあ。って思った。」
あ〜・・・・
やっぱり今日、連れてきて正解だったよ。そんな風に考えたことはなかった。そう言われればそうだね。この2年間「一回も決勝終了後、30分で車両保管終了」になったことがなかった。それでもそう言われれば、”暴れる”人とかいなかったね。

私はちょっとねえ・・・そういうことができない人なんだよね。
だいぶ前に私が「決勝中にわざとぶつけに行った。」話を記事にしたでしょう。
あれって、伏線があるんだよね。ぶつけに行く前の大会で。("相手がマナーを守らないんだから、こっちだってやってやる"という考え方になっていった。全員に対して)
あの当時って、「ミラーがふれあう距離で、でも、全員が誰も接触しない」っていうバトルが長く続いたんです。
でも、ある日、”私よりずっと年上のおじさん”が、ダンロップ下で、私をぶつけて押し出したことがあってねえ・・・
その後、再車検場で、「つかみ合い&殴り合い」になってました。(再車検扱いになったんだから、お互い上位だったんだと思う。)
どう収拾がついたか?って?
勇気ある係員さんが、我々の前に体を張って割って入ったんです。
「こんなことやるんだったら、二度と二人とも参加書を受け付けないぞ!JAFにも連絡して、ライセンスを取り上げてもらう!明確なライセンス規定違反だ!どうする?!」
直ちに二人で両肩組みましたよ。
「やだなあ。運動後のストレッチですよ。ほらっ。ね?スマイル!」
(痛てて。どさくさに紛れて、ほっぺたつねってんじゃねえよ。このやろう
そんなことやって、その後、二人は仲良くなったかって?
ならないね。ぜ〜んぜん。

現代のTTC1400の皆さんに「バカな事をやっていた経験者」として、贈る。
「あんなことやるもんじゃない。残ったのは、居心地の悪さと、苦い思い出だけだ。」
HonyaClub.com