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JOY耐予選日(土曜日)ってどんな進行? [2011JOY耐で大失敗]

先日の筑波サーキットからの帰り道でのお話。
普通は保管ガレージを出るとさっさと車を走らせるんだけど・・・・なんだかFMラジオの調子がおかしい。
車を道路脇に止めて、すべての曲のチューニングをやり直し。
ルームミラーに何かが・・・・脇をおじさんが通り過ぎてく。小さなバイクを押して。
・・・・べつにいいや。ラジオの再セッティング完了!んじゃ、帰ろう。

「ここからスタンドまではなんkmもありますよ!がんばってください。」

声だけはかけておこう。バイクはわからないからね。どうしようもない。
いつもと違う道をず〜とまっすぐ走って・・・・3km経過。ガソリンスタンドなんて出てこないぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・Uターン。

普段は制限速度の+15km/hぐらいだけど・・・・少々急ぐ。小さなバイクだったけど、押すのは大変じゃないかな。
まだまっすぐ押してきていた。車をストップ。
「この車に乗るかやってみましょう。全部シートを畳んで。」
「いやあ・・・いくら何でも無理ですよ。一晩押せば、家に帰れます。」
一晩って・・・いったいどうしちゃったんですか?
「一回エンジンを止めたら、それっきりかからなくなっちゃって・・・今日は換えのプラグも持ってきてなかった。」

ちょっとプラグをチェックさせてもらう。なんか・・・バイクのプラグって小さいんだねえ。普通の工具じゃサイズが合わないぞ。
「いや、これ、モンキー用の特殊サイズなんです。普通のバイク屋さんでもないと思う。」

プラグがビチャビチャだ。いやん。(?)
さて・・・どうしたもんかなあ・・・保管ガレージから、ブレーキクリーナーを持ってきて、拭いてみよう。
保管ガレージに戻る途中にあるバイクショップに飛び込む。
「すいません!ここの先でモンキーが止まっちゃってるんで・・・ここに戻してきたら、看てくれますか?」
おじさん二人はあっけにとられながらも・・・・okしてくれた。

ブレーキクリーナーで拭いても・・・案の定スタートしない。っていうか、バイクってスターターついていないんだ?
「ええ、これ、キックスタートのバイクで・・・・」なんか汗ボタボタ垂らしてる。大変だなあ。バイク。

「あそこのバイクショップに持って行きましょう。さっき話をつけてきました。」
「いやあ・・・あそこにRacingショップがあるのは知っていたけど・・・こんなゲテものバイクを看てくれないと思って・・・いいんですか?ラッキーだったなあ。あのお店の知り合いの人と話ができて。」
「いえ、さっき初めてお店に入りました。看てくれるって言ってくれましたよ。」
「・・・・・・・・・」

押すのを手伝おうとしたけど・・・あんまり触られたくないらしい。そういえば・・・なんかこのバイク隅々までピカピカだ。
それになんか作りが・・・・普通の人が乗る構造になってない。やけどとか・・・ちょっと危ない構造だぞ。これ。

「なんか・・・すごいバイクですね。」
「ええ・・・Hondaが中国メーカに作らせているエンジンなんです。それをチューニングしてあって・・・」
「いくつぐらい出てるんですか?」
「176ccで28馬力ぐらいです。」
「・・・・それってリッター150馬力以上・・・4輪で言ったら、フォーミュラーニッポンぐらいのチューニングレベルじゃないですか!」
「ええ、だからエンジンをかけるのが大変で・・・今日は朝、一発でエンジンがかかったから、そのまま遠乗りしちゃいました。うっかりしていたなあ・・・予備プラグ忘れるなんて。」

お店に到着。
Racerバイクがたくさん置いてある店内に入れてもらって・・・・おじさん達二人共が同じ事を・・・
「これは・・・・いったいなんだ?モンキー・・・なのか?」

案の定、チェックしてもらっても全然エンジンがかからない。
みんなでキックスタートを順番に繰り返している間に教えてもらうと・・・
どうも、二輪の世界は「手作り車両」で車検をとることができるらしい。
この「異形のモンキー」は、いろいろなスペシャルパーツの寄せ集めで車検をとった車両だった。
「このフレームはさあ・・・・アルミ押し出し材使ってるけど、どこのメーカー?」
「中国製です。」
「え?良くできてる・・・いったいこれでいくら?」
「3万円です。」
「えええええええ〜!俺達がやったら、材料費にもならない。」
「そうみたいですね。日本メーカー製の同じ構造のフレームだと17万円以上します。」


そうなんだよねえ・・・私の周りでもたくさん起きてる。同様のことが。
「大震災後、貧乏になっていく日本」は、他国の安い製品にすがるしかない状況だ。「出稼ぎ」をする時代が来るかもね。そんなに遠くない未来に。
未来の話以前に、今のこの状況。もう30分以上経ってるぞ。どうしよう・・・もし、エンジンかからないようだったら、バイクをここに置いてもらって、今日は自宅まで送るか・・・

「エキゾーストからもボタボタなにかたれてる・・・ガソリン・・・か?」
「ええ、何回もキックしているウチにダラダラ出てきちゃいました。」
「スロットルをフルに開いて。」
「開いたまま、キック!」
「いや・・・だって、これ、フューエルブースターがついています。そんなことをしたら全開放出・・・」

なんかゴチャゴチャ言っていたけど、言われたとおりレバーを全開に廻してキックしていたら・・・・
バッ・・・バンバンバンバン!!!!
かかった!やったあああああ〜!なんだかあまり気分が良い排気音じゃないけどね。

「Racingなセッティングになっているから、いったん燃焼室で”空気が足りない”って状況を作り出してやる必要があるんだ。」
「逆にキャブをスロー側にしていたら、いつまでたってもガソリンをダバダバ供給しちゃうよ。」

よかったよ。無事にこれで帰ってもらうことができる。
やっぱりそのままほっとかなくて良かった。あのまま家に帰っちゃっていたら、ずっと気になってたよ。

さてと・・・本当は筑波サーキット周辺のお話じゃなくて、ツインリンクもてぎで開催されたEnjoy耐久のお話を書くのが目的なんだよね。今回。

え〜と、どこまで進んだかというと・・・Joy耐初日(金曜日)を終えて、「スターレットのエンジンが全然かからない。でも、とりあえず一回車検チェックはしてもらった。」というところまで書いたんでした。

エンジン始動対策に追われているみんなを置いて、私は保管ガレージに向かって・・・
シートベルト(対TTC1400制圧用車両から奪取)とフロントタワーバーを確保。
本来なら、とっくに鍵が閉まっている時間だったんだけど・・・管理人さんが待っててくれた。ありがとう。

私が保管ガレージでゴソゴソやっていたころ、ツインリンクもてぎのピットでは・・・
1)インジェクター
2)ディストリビュータ
3)フューエルポンプ
4)ECU
まで、順番にオーナーの通勤スターレットから移植していたらしい。(ノーマルカーだから、内装剥がしから入らなければいけなくて、相当難儀したらしい。)

結論は・・・・
「どうも、交換した強化品のミッションケーブルが、ECUを圧していたみたいだ。取り付け場所がノーマルと違うからね。ECUをずらして、ミッションケーブルの通る場所を変更したら、エンジンがかかるようになったよ。」

そんなこと・・・あるのかなあ。ECUからコネクターを外してもリセットできていなかったのに。
まあ、そのままいこう。確か土曜日朝も練習走行があったよね?(じつはこのECU問題は後日談があるのだ。少なくともこのときの対策は大正解だった。)

フォークリフト修理係の彼から提案。
「また30分で止まっちゃたらいやだから、朝の練習走行やめませんか?とにかく一回予選でタイムを出しておかないと・・・」
了解了解。そうしよう。なにしろエンジンを積み替えてから、この車両は30分以上連続走行ができていない。

土曜日朝8時半からの練習走行をパスして・・・・おかげでゆっくり9時半に集合できたよ。

chuo.gif

「あのう・・・どこにいますか?パドックに入れません。係員さんに突っ返されました。」

racingcose.gif

あ、悪い悪い。パドックに入れるのは合計3台だけで、ピット裏に入れることができるのは、そのうちの1台だけなんだ。ピットに一番近い駐車場は・・・P3(駐車場3)で待ってて。通勤スターレットで迎えに行くから。

p3.gif

私が誘った「外車整備係」の彼がご夫婦で手伝いに来てくれたのだ。誰もが知ってる欧州製超高級スポーツカーから乗り換えてもらって・・・・現実の世界(通勤スターレット17年落ち)にようこそ。
しかし、この最上級スポーツカーで乗り込んでいっても、突っ返されるなんて、係員さんも職業意識に燃えてるねえ。正しい判断だ。

chushajyo.gif

さて、メンバーが揃ったところで、もう一度車検を受けよう。
「お〜・・・エンジンかかるようになったかい?よかったねえ。」
車検員の皆さんにチェックしてもらって・・・大問題だったオイルクーラーは、素直に全部取り外した。「ホースの素材」については、これからもよく考えよう。取り付け口との兼ね合いで、どうやってもホース状のものを突っ込まないといけないんだけどね。

「いいよ。全部OK。車重も昨日測っておいたよね。このホイールは決勝で使うホイール?」
「へ?いえ・・・・予選用のタイヤを組んでます。」

なに言っているんだろう?ホイールがそんなに問題なのか?
「う〜ん・・・決勝用ホイールには、マーキングしておきたいんだよね。決勝後の再車検のために。」
「いやいや、ウチのチームそんな再車検が必要な上位でゴールしませんから。」
「い〜や、そう言ってるチームが案外いつも上位に来るんだよ。ちゃんとやっておきな。」

ちゃんとやっておきなって・・・・もう、車検時間終わりだよ。
全員でダッシュ!ガレージが一番隅っこでよかった。
許しをもらって、車検場の脇でタイヤ4本交換させてもらった。重量を再度計測すると・・・757.4kg。
ありゃあ・・ちょっと重いホイールつけることになるんだ。決勝。そんなことも気にしたことなかった。
(後々考えると、この車重だったら、指摘を受けたフロントのタワーバーは全部丸ごと取り外してしまっても、車重規定には違反しないはずだった。このときは、タワーバーを取り付けることにしか頭が回らなかった。)

12時15分からピットロード上で全員参加のブリーフィング。
「公式計測タイム」になる予選は、30分づつABドライバーの2回。
その後は、もう一度30分の時間が与えられるけど、それは「残りのドライバーで分け合う練習時間」

初めてこのサーキットを走る状態での予選結果は・・・・
「クラス最下位。全体の73位」

みんながっかりしてる。
大丈夫だよ。手の内全部を見せる必要はないんだ。予選落ちがある状況だったら、ちゃんと対策をうったよ。
まだ、切り札は2枚持ってる。今の段階では、この車両が30分以上走ることがわかったことが収穫なんだ。

16時近くになって、最後の走行(30分のフリー走行)開始。
ただちにクラス3位のタイムで連続周回を開始する。
まったく・・・まったくすごいもんだ。TTC1400トップクラスのドライバーってやつは。
彼だけがこのコースを以前に一度だけ走ったことがある。
「この車両で到達すべきタイム」を即座にみんなに示してくれた。これで全員に目標タイムが設定できる。

30分のフリー走行は・・・二人のドライバーで分け合わないといけない。
私に与えられた時間は、残り8分。

ドライバーチェンジ。
おそらく計測ラップは一周だけだ。
コースインすると・・・・初めて走ったFISCO(現FSW)のように「コースのどこを走ったら良いかわからない。」状況じゃないけど・・・
なんか・・・丘みたいなところを走るんだね。このコース。この先って右・・なのか?いや、左?見えないぞ。コースの先が。失敗したなあ。一回ぐらい平面図見ておくんだった。

まいったなあ・・・走行車両が少なくて・・・ひとりぼっちだ。右か左かもわからないぞ。おっ。AE86が近づいてくる。
この車両だったら、しばらく後ろにくっついていけそうだ。

くっついて走っていると・・・正直、これ・・・・全部3速以上で回れるのか?いや、パワーバンドを外れるか・・
試しに縁石も乗っておこう。普段はボディを痛めたくないから、縁石は使わないけど。おっと。結構ゴトゴトする縁石だ。できればあまり乗りたくないなあ・・・・

なんか・・・筑波サーキットを一周したような気分になってきたけど・・・まだ一周してないんだね。なんか長いストレートと・・・立派な観客先があるけど・・・これ、ピット前じゃないね。

その先のストレートエンドが・・・・どんどん下って・・・・別にエビスほど下ってないし・・・たいしたことな・・・え?なにその右直角コーナー。あんまりエスケープゾーンがないじゃん。

怖い。

ブレーキを踏んだら・・・あれ?減速しすぎだ。もう一回ブレーキを離して・・・あ〜あ、AE86が逃げていく・・・

なんだあ?このコーナー・・・タイム短縮ポイントだけど・・・あんまり無理して突っ込みたくないなあ・・・
登っていって・・・切り返す最終コーナーが見通しが悪くて・・・少々めんどくさい。
ピット前通過。タイムは?2分39秒台。

ほらね。たいしたタイムじゃないけど、初めて走って最初の1周で規定(1周最低3分)は超えて見せたよ。

さて、走行時間終了。
でも、ちゃんと明日の決勝に向けて整備をしていいんだって。
ブレーキ周りを整備しておこうか。
「え?なんでキャリパー全バラしてるのよ!そんなことしたら、戻すの大変だよ!」
なんか騒いでる。
「いや・・・別にこんなの難しくないですよ。全部のピストンにグリース塗っておきましょう。ほら。」

なんか・・・みんなあっけにとられるペースで整備してくれたらしい。外車整備係。さすがプロだ。呼んで良かったよ。

あ、フルード全交換しておくの?念のために?はいはい。じゃあ、WAKO'Sの出店があるから買ってくるよ。
「いやあ、よかった買ってくれる人がいて。お店を出した甲斐がありましたよ。」
「こっちこそ。ブレーキ周りをいじることもなく、帰るハメになるかと思ってたんで。今日一日走ることができて良かったです。」

どうも昨日夜にメンバーみんなが苦闘して、なんとかしてエンジンをかけようとしていたのを見ていてくれたらしい。
「そうですか。あの青い50番ですか。よかったですねえ。明日はほんとにがんばってくださいね。」

なんとか・・・なんとかなるんじゃないかと思っていたんだよね。このとき。
「私が参加しているのにまったく雨が降らない。」ということに一抹の不安を抱きながら・・・

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