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JOY耐暑さ対策(後編) [2012年JOY耐7h]

小林可夢偉選手、やってくれましたねえ。
すごいなあ。って思います。みんなに期待をかけられている母国で、ちゃんと表彰台に乗ってしまうところが。
普通だったら、焦ってミスとかするように思うんですけどね。(あのセナだって、実は母国で表彰台に乗ったのは、非常に少ない回数だった。)本当にすごい。
何とかこれで、来年のF1残留も決めてもらいたい。
それと、可夢偉選手の影に隠れてしまったけど、皇帝陛下もBRIDGESTOnEの国で「2回目の引退」を発表されました。
自分と同い年の彼が・・・「下り坂」にさしかかったんだということを再確認したんだな。って思いました。
彼は・・・実は、F1に行く前にその名を聞いていました。私。
大学生の時に全日本F3000チームのお手伝いをしていて・・・まあ、私の人生の中で初めて現れた「うさんくさい大人」達との関わり合いの黒歴史ですよ。
私の中に刻まれた「車のお金に関わる連中は、基本的に信用するな」という一連の出来事の中、一瞬通り過ぎていきました。その数ヶ月後、スパで一躍有名になる私と同い年の若者が。

彼は「ある幸運な出来事から」シーズン途中でのF1デビューを飾ったように言われることがありますが、実際は全く違うと思います。
周りの大人達が、希有なその才能を見逃さなかった。
F1で「予選用タイヤ」が、使用されていた時代。
「世界で最も激しいタイヤ戦争が繰り広げられている国」全日本F3000にその「予選用タイヤ」を学ぶために送り込まれてきたんです。確か1戦だけ。

彼がやってくることは、各エントラントにパッと広まって・・・私のような下っ端ですら「ヨーロッパから、ものすごく速いドライバーがやってくるらしい。」という噂話が耳に入っていました。
まあ、既にその頃には、「この連中は信用ならないし、自分の時間を使うまでもない」と思っていたので、理由をつけて現地には入らなかったんですけどね。
(国の機関で鋳型の研究をしていたので、どちらにしても時間は割けなくなっていた。)

その大会の後、メンテナンスガレージの方々が、「すごかった。幻の多角形コーナリングだった。」と、なんだか・・・うわごとのように繰り返すのを聞いて、「へ〜」って思っていたことでおしまい。

その後、自分が関わっていた「助っ人ドライバー」(彼は本当に本当にそのチームにとって、助っ人だった)がその数年後、「日本の悪い大人達」に食い物にされず、ちゃんとF1の世界に旅立つことができることも、あまつさえ「皇帝陛下を最初に打ち負かしたNO.2ドライバー」と言われて、長く赤い帝国で並び立つことになることも知らなかった。

数ヶ月後のスパ・フランコルシャン。
深夜の予選中継がなにか・・・冒頭から騒いでいて・・・・
予選7位のドライバーの名前を聞いてびっくり。「あいつか。すげえや。F1にたどり着いたんだ。それだけじゃなくて、あのスパで7位かっ!やるなあ。」
その後の物語は、みんなが知ってるとおり。
誰もが、予選7位で彼が登場してきた瞬間に「これから何勝もするドライバー」って思ったはずだけど、まさか、翌日の決勝で、スタート後クラッチが壊れて、すぐにリタイヤすることも想像できなかったと思う。
(TVの前でずっこけてました。私。)

彼らのように人々の賞賛を浴びる場所に私はいないけど、そんなに悪くないと思います。
あの頃のメンバーは、霧のように消えてしまった。
でも、私は今も小さなスターレットを走らせることができているんだから。
モータースポーツに学生の頃から関わっていたおかげで、
「チャンスが来たら必ず一発でつかみ取れ」
「いつも準備しておくことが大切だ」
「チャンスが来ていることがわかるセンサーを立てているか?」
「つかみ取ったら、その成果をできるだけ早く見せつけるんだ。誰もがわかる形で。」
って思うことができるようになっていた。まあ・・・組織人としては、「誰かに尾っぽを振る」って事ができない時点で、少々残念なのかもしれないけど。

同い年の皇帝陛下は・・・引退した後も私の中で、アイコンであり続けると思います。歳をとったからって、全部が終わりって訳じゃない。

さてと、夏のお話に時間軸を戻しますよ。今回で2012年JOY耐7hのお話は最終回です。
準備をおこなった残り2つの項目をお話ししましょう。

1つめ 「車内電動ブロアーの準備」
2011年の事故の際、「SC車両が出てから、車内に入ってくる風が少なくなっちゃったんだ。何とか手のひらで、自分の方に風がこないかいろいろやっていたんだけど・・・」という話を聞いていました。
それまでは、「この小さな車両に導風ダクトを装着するのはなあ・・・どう考えたって、抵抗になるよな。」って思って、気にも留めてなかったんです。
さて・・・・

電機屋なので、「強制送風ファン」登場ですよ。
「こんな事もあろうかと、残しておいたシガーライターソケットの配線を使えば、小さなブロアーを回しっぱなしにできるんじゃないか?屋内工事の換気のために仮設置される強制ブロアーのDC版があれば、車内に設置できるはずだ。」

はい。一通り集めましたよ。

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実は、道具の設置にあたっては、2つハードルがありました。
まず、シガーライターソケット用の配線を捜索。

haisen.jpg

ちょっと大変だった。全部取り外しちゃっていたので、コネクターを・・・だいぶ探し回りました。
はい。なんとか「シガーライター」を復旧。

siger.jpg

ブロアーに直径75mmのホースをつっこんで・・・

sashikomi.jpg

両端は、インシュロックで縛りました。
で、このブロアーから出ている配線をシガーライターコンセントに接続。

TANSHI.jpg

配線自体は、ぷらぷらさせてあります。え?「スイッチは?」
いらないいらない。そんな贅沢品。
真夏にレーシングスーツを着て、乗り込むんだよ。最初っから全開に決まってるでしょう。
ボカンとシガーライターに突っ込んで、全開運転!ヘタにスイッチとかがあると、競技車両の振動で、変なトラブルにつながりかねないです。

2つめのハードルが・・・・
このブロアー本体をどうやって固定するか?
ダッシュボードにタッピングネジを使って、無理矢理固定してしまうことを考えたんだけど・・・
無理無理無理。
手の中に入るドライバーを使っても、全然ダッシュボードにネジが食い込まない。

ふう・・・ネクタイ組は、道具に頼るんですよ。
こんな事もあろうかと、ダッシュボード解体時に電動ドライバー用の秘密兵器を買っておいたんだった。

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も〜超簡単!あっという間にねじ締め完了!道具の力ってすごい!

kansei.jpg

実際に練習日に使ってみると・・・・
「ダメダメ。これじゃドライアイになっちゃうよ。」
あれ?
強制送風の風が顔に当たるようにすると・・・目を開けるのが難しいらしい。
少々ダクトの固定位置を修正して、胸のあたりに風が当たるようにしたら・・・おっOKね。よかったよかった。

最後の対策項目は・・・
ロールバーに取り付けられるドリンクホルダーとボトル(写真撮り忘れました。)
これは、オーナーが買ってきてくれました。
で、取り付けたことに安心しちゃって・・・練習してなかったんです。飲み方。
筑波サーキットでの練習走行の時にちょっと口に突っ込んでみて・・・「なんか・・・飲みにくくないか?」
JOY耐当日になって、「もっと細くて柔らかい素材」にチューブを変更して、決勝を走り始めたんですけど・・・
3人目までは、ちゃんと機能していたみたいです。
4人目でなにかおかしくなっていたらしい。ちゃんと各ドライバー専用の飲み物に交代時は積み替えていたのに。

急遽、予定時間をだいぶ早めてラストドライバー(私)に交代。
「なにかあった時のために準備しておくから!」とTTC1400の彼に送り出されたけど・・・
ミッションの作動状況を確認しているうちに数周が過ぎて・・・「まだ、水を飲んじゃダメだと思うけど・・・練習がてら飲んでみるか・・・」

一口水が出てきた。
・・・・それっきり。いくら吸っても出てこない。???????
その後、しば〜らくの間、タイムそっちのけで、ボトル(というよりもホース)と格闘していました。
足下とかを見て、「なんだ?去年みたいに、またボトルからホースが抜けたのか?」とか確認したり、いったん全部ヘルメットから出してみたり。
ヘルメットから全部抜いてしまったから、コーナーを出た後、今度はそのホースを一生懸命探したり。

出した結論は・・・
「諦めろ。水は出てこない。」
「もう、ピットには戻らない。ターゲットタイムは廃棄。自分の体と相談しながら、必ずチェッカーフラッグを受けるんだ。」

頭が痛くなる状態は、ちょっとJOY耐で経験している。そうならない程度に息を詰めずに「ドライブ」するんだ。AE86の彼も「歌を歌いながらドライブしてれば、2時間なんて水無しで大丈夫。」って言ってた。

後ろから迫る車両をとにかくどんどん前に行かせる。
一台のEP82を前に行かせて・・・ちょっと後悔することになった。
なにかトラブルを抱えているのか・・・困ったな。ゆっくり走っているこっちの方がまだ速い。
試しにバックストレートで抜こうとすると・・・いや・・・ブロックラインを使うような相手じゃないよ。我々。
抜かないで・・・とにかく後ろをついていこう。鳥肌が立っているのがわかる。

なんとかチェッカーフラッグを受けることができて、無事にグランドスタンド前に車両保管させることができた。
前方のEP82のドライバーが、こちらに来て、なにか声をかけてくれていたらしい。
全く気がつかなかった。まったく周りの音が聞こえなくなっていた。とにかく一生懸命、6点ベルトを外そうと・・・真夏なのに手が震えて、バックルをちゃんと掴むことができない。
私の運転席の脇から去って行く後ろ姿で、やっと気がついた。
失礼をしてしまった。あのEP82が前を走ってくれていなかったら、たぶんチェッカーフラッグは受けられなかった。

車両保管解除の後、点検をすると・・・
ホースを柔らかいものに交換していたことが良くなかったらしい。
高温の車内で、完全にホースがつぶれてしまって、それっきり吸い出せなくなっていた。
もう少し、「ボトルからヘルメットまでのホースの処理」とか、いろいろ工夫しないとダメみたいだ。

まだまだです。暑さ対策。2011年よりは進歩したと思うけど、これでは「競争」はできない。
もう少しなにか対策を立てます。

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