パーキングブレーキがかからなくなりました。(シリンダー交換編) [EP82日常整備]
さて、「パーキングブレーキがいっくらレバーを引張ってもかからなくなってしまった。」スターレットのお話。
その後どうなったか・・・実を言うと、私が作業ができなかった。
夏の終わりから取り掛かったあるお客様の仕事が・・・少々困難な状況。
毎週末、現場入りしないといけなくなっていました。
2015年のクリスマスの辺りでも、立ち上げることができなくて、「・・・失敗?相当な投資計画を立ててもらったのに。」という緊迫の事態になっていました。
(実験的要素が強い設備で、工事が終わった後、期待した性能を発揮させるのが難しかった。なんとか・・・う〜ん・・・まあまあ終了できて、年を越せました。)
なので、オーナー夫妻がリヤドラムブレーキのホイールシリンダーを交換してくれました。
ということで、今回の記事は、「ホイールシリンダー交換作業」そのものじゃなくて、「道具を準備しておかないと、とっても大変」というお話をします。
4E-FEエンジン搭載のEP82スターレットは、リヤブレーキがドラム式です。
(最終モデルは・・・確か、リヤのブレーキもディスクだったグレードがあったような・・・でも、少なくとも競技の現場でリヤディスクブレーキのEP82を見たことがない。)
正直・・・ものすごく憂鬱。ドラムブレーキの整備。
めんどくさいんです。ものすごく面倒。フロント側のディスクブレーキに比べると。
ふたを開けると、こんなにいっぱい詰まっている部品を(この右脇で、引っ掛け工具を使ってなんとかして外さないといけない黒いバネが一番の難点)
ここまでバラさないと、ブレーキシューの交換すらできないです。
リヤシャフトのふたを外すだけでも難儀するのですが、ふたを外した後に出てくる折れ曲げてあるコッターピンや
押しながら回ささないと外れないスプリングカップとか
極め付けが、どうやってもはずせなくて、悩みまくることになるCリング・・・
(フォーカスが全く合ってなくて申し訳ない。)
このCリング、「やっと外れた!」と思った瞬間、その奥にあるEリングがビョン!って外れて、そのまま行方不明。(何度、捜索活動に時間がかかったことか。)
なので、悟りを開きましたよ。
先にKTCの「ブレーキツールセット」(ドラムブレーキ用)を買ってください。
個別にバラバラ買っていたのですが、結局、一揃えになっちゃいました。
バラ買いの方が高くつきました。さっさと買っちゃった方がいいです。作業中に悩み果てる時間を考えたら、全然安い。
で、必要な純正部品一覧は、こちら。
消耗部品(コッターピンとか)は、まとめ買いしておいた方がいいです。
私達なんて、「コッターピン・・・もったいないから、ハンマーでもう一度延ばして使おう。」なんてやっていたら、ある日、「ほんっとうに軸からコッターピンが抜けない!」って事態になって、危うくサンダーを持ち出さなければいけなくなりましたから。
(そんなことしたら、周辺パーツが萌える。じゃなかった。燃える。)
忘れがちなのが、グリースです。
パーツの交換に一生懸命になってしまって、せいぜいシャフトのところのグリースしか塗らなかったりします。
キャッスル・ノンメルトルブと
ラバーグリースが必要になります。
最後は、くれぐれもこちらの「ドラムブレーキカバー」内部にもグリースを詰める必要があります。
ぜ〜んぶ拭き取って、新しいグリースを入れる必要があるのですが・・・相当量が必要になります。
この穴のところにグリースが必要だなんて思わなくて、第一次活動の頃は、スズキ・カルタスGT-iのリヤハブを吹っ飛ばしちゃったことがあるんですよね。タイヤがホイールごとバーン!と・・・人に当たらなくてよかった。
で、ここら辺の作業をぜ〜んぶオーナー夫妻がやってくれた結果は・・・
(リヤドラムブレーキの作業は、二人でやった方がいいです。一人だと手が足りない。)
「シリンダーを新品に交換したんだけどさ・・・全然状況変わらず。右のパーキングブレーキがまったくかからない。なんか・・・ケーブルが伸びきっちゃってる感じなんだよね。」
「・・・・・」
ケーブル・・・なのか?あのパーキングブレーキレバーから伸びてるあのケーブル?
運転席から、後ろの車輪まで・・・相当長いよ。
新品に・・・え、う〜ん・・・そんなもの寿命があるのかなあ・・・でも、ミッションケーブルで、実際にマイっちゃったことがあったもんなあ・・・
変えないと・・・ダメかねえ・・・
ということで、次回に続きます。(あと何回やるんだろう。この件。)
パーキングブレーキがかからなくなりました。(症状発見編) [EP82日常整備]
明けましておめでとうございます。
みなさん初夢見ました?初夢。
私はですねえ・・・「夢は見ない。」とかって普段は言い放っていたりするんですけど、今年は珍しく初夢を見ましたよ。
「マクラーレンホンダがコンストラクターズチャンピオンになる!」
な〜んて初夢ではなくて、フエッヘッへ。超アイデア商品が夢の中に出てきましたよ。
「うおおお〜!これだあああああ〜!」
とかって叫びながら、いつも枕の傍においてあるノートにパッと書き留めました。
え〜と、ノートを読み返すと・・・
「カメラと水泳用ゴーグルが一体になったアイテム」って書いてある。
・・・アレだね。あれ。
「スキー用ゴーグルとカメラが一体になったアイテムが発売開始」
っていう情報を知ったから、思い浮かんじゃったんだな。初夢で。
絶対に流行りますよ。これ。
特許申請をしなければ。
競泳選手の視線確認用・・・なんて崇高な目的じゃなくて、あれです。アレ。お子さん連れのお父さんに絶対大ヒット間違いなし!
こう・・・ほら、お父さんたちって、夏、子供達をプールに連れて行くでしょう。
で、プールサイドで子供達を見ているふりをして、このゴーグルをスチャッと・・・・
むふふふ・・・・ウエッヘッヘ。
え?ダメなの?正月からこういう話。あ、はいはい。希望ある若者たちも、どうもこのBlogを見てくれているらしいからね。”おっさんを伝染させない。”と。ハイハイ。
んじゃ、真面目に正月らしい話。
2016年にやること。
1)今年もJOY耐に出場します!
これまでと違って、「できるだけ速く走って完走する。」ことを目指す年になります。
その順位から、どれだけ上げて完走できるか。ジャンプアップ賞?あ、うん。それは無理。
2014年だったと思うのですが・・・「なんでこの強そうな車両がペケの方なんだろう?予選順位」って思っていたチームが、決勝では確か表彰台近くまで来てチェッカーを受けていたましたから。
そういう人たちが集まる大会です。JOY耐。(なんかあのチーム・・・その後2015年に優勝したチームのような気がしているんですよね。)
2)できれば秋の筑波耐久に出場したい。
これは、2016年も大会を開催してくれれば・・・という願いも込みです。
2015年は、みんなの説得に失敗してエントリーしなかった・・・だけではなくて、実は、2015年秋は、全く走ることができなくなっていました。リヤブレーキに問題を抱えててしまって・・・
筑波耐久の日もまだ走行不能状態だったというのが、2015年JOY耐後の我々の状況でした。
これからしばらくは、このリヤブレーキのトラブルのお話をします。
正直何回で記事が終わるのか・・・未定。
それぐらい悩んでしまった話です。はい、では今回の本題、ここから始まりますよ。(前置きが長い。今年も。)
Joy耐の金曜日朝から、”それ”は発生していたみたいです。今振り返ると。
セーフティーローダーで、ツインリンクもてぎピット前に到着。
車両を下ろし始めた・・・・ぬおおおお〜!スターレット様が勝手に落ちていってしまううう〜!
おかしいぞ!ハンドルブレーキは思いっきり引っ張ったはずだ。と、思ったら止まった。
ローダーのヘリに引っかかって止まった。
・・・牽引フックがローダーに引っかかって・・・・う〜んう〜ん・・・ニッチモサッチモいかない状況。
結局、ローダーそのものを前進。
バリバリ・・・という音とともに牽引フックを破壊。う、うん。まあ・・・これで走行できるようになったよ。
2015年JOY耐はこんな感じの朝から始まって・・・心のダメージがすごかったんです。しかも、時間が経つにつれてわかってきたのですが、どうも、私、体調が悪かったみたい。なんとか決勝は完走できたのですが、終わった頃には、声が出なくなっていました。
土曜日の夜にちゃんとブレーキを全輪チェックしたのに・・・まさか、決勝であんなに「止めにくい」状況に陥るとは思わなかった。
で、JOY耐が終わった後、筑波で練習走行をしたんです。
フロント側のブレーキパッドだけ、”練習用パッド”に変更しただけで。
最初、「うおおお〜!ブレーキペダルがスコッと・・・あ、大丈夫大丈夫。ポンピングしたら戻った。まずかったなあ。エア抜き全然していないで、厚みが違うパッドを入れちゃったせいだなあ。」な〜んて思いながら、1走行完了。
この時点で、秋の筑波耐久は、「本気で2時間20Litter無給油」作戦を展開するつもりだったので、すごくゆっくり走っていたためなのか・・・その後、ものすごく大変な事態になるのをこの走行終了の時点で気がつかなかった。
2走行目は、外車整備係に交代。
すぐにピットに戻ってきた。
「無理無理無理。ぜんっぜんブレーキが効かない。」
「何言ってんだよ。さっき、これで走ってたんだぜ。耐久は、長い時間の間に不測の事態が起きるんだからさ、ブレーキが利かなぐらいで諦めちゃダメだよ。はい。”効かないブレーキで止める練習。”ちゃんと時間いっぱいまで走って。」
走り去る姿を見送って・・・戻ってこない・・・・戻ってこない・・・・戻ってこないぞ〜
あ、来たきた・・・と思ったらピット裏に収容。もうやめるのね。
どうも途中でスピンして、嫌になったらしい。
「全くも〜。経験値がまだまだ足りないな。ブレーキを使わなくなって、周回はできるだろう。って、ぬおおおお〜!!!」
無理無理無理・・・あ、いや・・・何だこれ?最初はスコッて入ってしまうけど・・・踏み続けてれば、減速できる。変だぞ。フルードにエアが入っている時の症状じゃない。
・・・・なんか変。この車両。またも何か問題を抱えたよ。これまでに体験したことがない症状。ブレーキだよ。こりゃ大変だよ。
オーナーと共に全部のブレーキをチェック。
オーナーが右リヤドラムブレーキ(運転席後方側)をチェックしていて・・・
「あ、ダメだこれ。シューが完全になくなってる。」
ありゃあ・・・JOY耐土曜日にチェックして、「走りきれるだろう」って判断してそのままだったんだけど・・・無理だったか。
「いや・・・なんか・・・減り方がおかしいんだよ。ものすごく偏ってる・・・これ、ひょっとして引きずったまま走ったんじゃない?7時間。」
う〜ん・・・・
「だって、ほら、このブレーキシリンダー、右側だけ、ゴムがボロボロだよ。」
う〜ん・・・この写真だと、わかりにくいかもしれないけど、確かに黒いゴムのところが右側だけボロボロになってる。
「元のボディを5万円で買った時に、そのままついてたやつだよね。これ。」
「そう。だから・・・20年は経過していたかもね。」
「まあ、今日のところは、まず、シューを交換して、蓋をしようよ。」
そう思っていたんです。この時点までは。
「ねえ。何かおかしい。ハンドブレーキを何回引いても、リヤホイールが回っちゃう。」
「う〜ん?交代してみな。多分、いっぱい引かないと、自動調整機構が効かないんだよ。」
保管ガレージに響き渡るガコガコという音・・・いつまでも終わらない・・・いつになったら効き出すんだ?ハンドブレーキ。
「何か・・・何かおかしいよ。これ。右側だけ、全くハンドブレーキが効いてない。」
「何だよこれ。こんなこと、今までなかったぞ。う〜ん・・・ブレーキシリンダーを買ってこようかあ・・・ハンドブレーキが効くようになるまで、走行できないなあ。」
ええ・・・これが、「始まり」なんです。
この後、数ヶ月にわたって悩むことになりました。
この話、長いです。
今回はここまで。