エンジンからオイルが漏れるようになった。(発見編) [EP82日常整備]
Hondaとマクラーレンの離婚話は、NHKのニュースでも報道されちゃってましたねえ・・・
まあ、私は、今回の第4期(彼らはそう呼ばれたがっていないけれど)Honda F1活動が発表された時に「なぜ戻ってきたんだ?第3期F1活動の時に学んだんじゃないのか?”自分たちは、普通の会社(サラリーマンの集団)になった。”と。」と思っていました。
サラリーマンにF1はできない。
ヨーロッパの人たちが覚えている「偉大なエンジンメーカ」Honda第1期、第2期活動での総監督を務めた方々は、例外なくF1活動終了後に冷や飯を食わされたり、あるいは会社から追い立てられるように辞めていったんです。
任務を全うするために社内のメンバーにも真っ向からぶつかっていった結果、歴史に残る偉業を達成することはできたけど、その指揮官たちは組織に残ることができなかった。
既に60年代からその芽があったんです。
特にHondaの場合、二輪レースチームにおいてもヨシムラに対する目に余る行為があり、極めて日本人的な行動を取りたがる組織でした。
ビジネスの面でも、近年のアメリカ法人のリーダーに対しての処遇とかね。
トヨタは、日本サラリーマン的振る舞いを自己認識して、かつ、「貴族階級意識があるF1は、ヨーロッパの連中が決めたルールの中で踊るしかない。」事を悟って、退却したんです。おそらく彼らは、二度とF1に戻ってこない。
最初のパートナーに離婚を切り出されながら、なおもその場所にとどまるか。
確かに・・・確かにその必要性はあるんです。だって、世界のモーターリゼーションは、「電動化」に舵を切ったのだから。
アメリカの自動車産業を見てください。
業績が苦しい状況でも、モータースポーツに関わり続けているフォード(現在は、WRCと耐久選手権がメイン)以外は、みんな倒産しました。
競技をやっていないと、鍛えられない。
競技をやっていないと、金融屋とマーケティング屋がおかしな価値観を組織に持ち込む。
「現代モータースポーツは、市販車には何の役にも立たない。」
は?何言ってんだか。
30年ぐらい先の未来を競っているのがF1。
だから見えない。
最近の例で言えば、複合材料の量産車への適用。
F1チームを1から作る困難な道を選んだトヨタは、今やプリウスPHVのリヤゲートにカーボンコンポジット材を適用している。
F1では、80年代から採用されていた技術で、シャーシまで作っていたトヨタは、その特性を競技の世界で短時間のうちに学ぶことができた。
これから30年先に必要とされているのは、「電動車両による未来」
現在の世界選手権で、明確な電動化車両を規定で定めているのは、WECとF1だけなんです。
世界一の自動車会社であるトヨタは、WECで踏ん張ってる。
トヨタよりずっと規模が小さいHondaは、WECよりずっと難しい(2週間に一度、結果が問われる)F1に残ると決めた。
決めたのは、自分たちだ。
なら、踏ん張ってください。
「今、すごく大変だけど、絶対に良い結果を出してくれる。あのHondaなんだから。」そう信じて、3年を過ごしてきた。
外部からプロがやってくるのを待つのではなく、今の組織の中から、立ち上がる人たちが現れるのを期待して待っています。
立ち上がった結果は・・・恐らく第1期や第2期の先人達がたどった困難が待ち受けているだろうけど。
さて本題。
リヤアクスル周りを総入れ替えしたEP82。
ちゃんと走ることができるようになりました。これで安心安心。残念ながら、今年のJoy耐はエントリーしなかったけどね。
ただ、筑波サーキットでの練習走行後に気になることがあって・・・
なんか・・・路面に・・・ポツッとオイルが垂れてる。毎回毎回。走行後に。
何だろう?これ。
潜ってみると・・・
トランスミッション・・・からのオイル漏れか?
う〜ん???
あ、このトランスミッションのところに隙間があるのは、気にしないで。
エンジンとミッションをつなぐ部分のカバー(鉄板)が、エンジンの換装時にどうしても折れ曲がってしまうのだ。
で、もはやちゃんと全部ネジ締めもできない状態。あ、大丈夫大丈夫。この状態でもちゃんと変速できてます。
ふ〜む・・・
オーナーと相談。
「ミッションオイル・・・漏れているのかなあ・・・だとしたら、厄介だよ。ミッションを下ろさないといけない。」
「いや・・・この路面のオイル、ミッションかね?」
あ、ちょっとオーナー。そんなに這いつくばって、路面のオイルの匂いを嗅がないで。ちょっと。本当に。みんなこっちを見てる。
”またアイツら、変なプレイしてるぜ。”って目で見てる。ちょっと!そういうのは、家で奥様と二人でやって!
「いや、やってないし。首輪とかムチとかローソクとか、うち、使ってないからね。」
「キイテナイヨ!!」
「この路面のオイルさあ・・・ミッションじゃないよ。ミッションオイルの匂いがしない。」
う〜ん???
もう一回、車両の下に潜ってみる。
う〜ん・・・
今までの壊れちゃったエンジンの場合は、このファンベルトプーリーのあたりにオイルが垂れるようになっちゃったんだよね。ヘッド側からのオイル漏れなのか。
でも、今回は、全然綺麗だよなあ・・・
「ねえ、気のせい気のせいってことにしない?ちょびっと路面に垂れてるだけじゃん。しかも走行後に。保管時は、全然垂れてないんだしさ。」
「ダメだよ。この車両は、長距離を走るんだよ。排気管にかかってるのが気になる。もし、火がついちゃったら大変なことになるじゃん。」
「う〜ん・・・カチカチ山?」
「それ、残酷な話だから。そんなことにならないようにちゃんと整備しよう。多分、オイルパンのシールがうまくできていなんだよ。一回剥がして、シールパッキンをもう一度付け直そう。」
え〜・・・オイルパン剥がしやるの。メンドくさいなあ・・・もう・・・
今回はここまで。
長く・・・すごく長い話になります。
まさか、この判断がね。
この時点では、「いつもやっている作業。簡単さ。」って思っていた。頭の隅で「変なところから、ポツッて、オイルが漏れてるなあ・・・」って思いながら。
散々苦労したリヤアクスル周りのトラブルの件なんて、吹っ飛ばすような悩みを抱えることになります。これから。