ハブベアリングプーラーという工具を借りたんだけど、全然使いこなせなかったという話 [EP82日常整備]
11月6日の本庄軽One耐久シリーズ2022N-Nクラス最終戦は、無事にエントリーすることになりました。
って、募集枠30台超えちゃうと出走無理なんだけど。たぶん・・・大丈夫?ギリギリ?
ミラでは、リヤハブ問題に苦悩することになりましたが(TTC1400大ベテランドライバー様がね。)、EP82では、フロントハブです。
今回は、スターレットのフロントハブベアリング交換のお話。
TTC1400大ベテランドライバー様から、「ハブベアリングの交換ができる工具買ったよ。油圧プレス無しでできるから使ってみな。」と渡されてはやいく月・・・放置はまずい・・・な。と。
車体から外したら、こんな感じでバラバラになって取り出されたのだ。
まあ、なんていうか・・・・・
何も使える部品は、ないな。と・・・・
気を取り直して、保管ガレージをゴソゴソ。
あるんだよ。あるの。過去使っていたハブ。両輪とも。
めんどくさくて、ハブベアリングの交換をしてこなかったんだよね。
KMSのJoy耐ドライバーさん曰く、「え?ハブベアリング交換しないで大会に出てたの?もてぎはものすごくフロントハブに厳しいから、毎年交換だよ。ハブ。」だって。
知らないってすごいな。ほんと。罪なく。
ということで、これからは、毎年大会前にハブベアリング交換作業です。
で、自分でやってみようと思ったんだけど・・・
早速障害。
スナップリングを外せない。
手持ちのスナップリングプライヤーは、全部「ドライブシャフト用」の大きさだった。
慌てて、筑波サーキット近所のホームセンターに「一番大きなスナップリングプライヤー」を買いに行く。
モリッとな。
外せたぜ。スナップリング。やってやったぜ。(まだスタート地点)
スナップリングは再利用しません。
品番90521-75003で2個新品を準備します。
借りた工具を広げてみる。
てっきり使い古した工具・・・と思ったら、全然新品工具を貸してくれたんだ。TTC1400大ベテランドライバー様。
で・・・・いつも思うんだけど・・・
この手の工具って、取扱説明書が入っていたことがない。どうやって使うんだろう・・・
う〜ん???
なんか間違っている気がする。ラチェットレンチで黒いシャフトを回してみるけど、うまく力がかからない。
万力か?
万力使って・・・ソケットレンチをハンマーで叩いてみるけど・・・多分間違ってる。これ。あ、ソケットレンチ壊れた。まあいいや。寸法間違って買ったやつだから。
再びハブベアリングプーラーと格闘すること数時間。
どうにもならないぞ。ほんとに。なんか・・・周りも暗くなってきた。
頼りのAE86レースの彼は、いなくて・・・彼の友達がいた。
話を聞いてみる。
「ああ、その工具、扱い慣れている人が使うものだよ。油圧プレスで作業した方がいいよ。貸してみな。」
油圧プレスの使い方を指導される。
「これ、単純な構造だけど、扱い方を間違えるとすごく危険だからね。必ず、対象品を水平になるように固定すること。」
「油圧シャフトを下ろしていって、対象品がすぐに外れないようだったら、無理をしない。」
「おかしいおかしいと思って、油圧シャフトをどんどん下ろしていくと、最悪、パーツが飛ぶからね。必ず、保護メガネ着用。そうなる前に変だと思ったら、すぐに油圧解除。」
赤いシャフトが無事に降りていって・・・モリッとハブボルトが装着されているユニットが外れてきた。
で、ここで初めて、あのハブベアリングプーラーという工具が必要になるのだ。
ちゃんとはまることを確認。
水平になるように周辺の金具を使ってセット。
「油圧を使って外した部品は、捨てないで保管しておいた方がいいよ。治具に転用できるから。」
こんな感じで、過去の外し部品を使って油圧をかける。
中のパーツが外れた。
ユニットの中に残ったベアリングは、大きなマイナスドライバーでこじって取り出す。
いや、マイナスドライバーで外せなかったんだっけな?
再び油圧プレスをかける。
で、完全にバラバラになったのがこの状態。
ロアアームユニット側は、問題がなかったんだけど・・・
この「ハブボルトが装着される側」のパーツは、「消耗品」なんだそうです。
そういえば、以前、フォークリフト修理係にも「ハブボルトの交換・・・大事なことだけど、一回だけですよ。ハブボルトを引き抜いて交換できるのは。同じユニットに二回は危険です。ハブボルト自体が抜けてきます。」って言ってた。
ちなみにフロントアクスルハブボルトの品番は、90942-02049になります。
今回は、ハブボルトの交換は無し。
この写真のワークの場合は、もう、ベアリングが当たる部分にシワが寄っていて・・・かなり険しい表情。
「今回だけだよ。こうやってシワが寄ってしまっているワークに新品ベアリングを装着しても破断する。」
用意する新品部品は・・・
品番90099-14088のO-RINGと
品番04422-10040のフロントアクスルオイルシールキット。それぞれ二つずつ。
品番90369-35029のフロントアクスルハブベアリングも2個準備。
これには、純正の白いグリースが付着しているんだけど、とにかく全部拭き取る。
競技車両に使用するグリースは、「ハブベアリング用」と書かれているものを必ず使った方がいいです。
色々なグリースを使ってきて・・・まあ、悟りの世界。この辺りは、色々壊してきて。
すごくいいグリースを使ってきたおかげで、何年も交換せずにJoy耐に出場し続けられたのかと・・・
ただ、それらの「すごくいいグリース」は、ここ数年、価格高騰が激しくて・・・流通ルートも絞られてきたのか、入手そのものが難しくなりました。
「Covid-19後の世界」では、通常の「車両用グリース」群に戻すようになってきています。
グリースを塗り直したハブベアリングを装着開始。
いきなり油圧プレスにかけるのではなくて、プラスチックハンマーで慎重にセット。
水平を保って、油圧プレス作業開始。
O -RING装着も過去に外した部品を使いながら、プラスチックハンマーで慎重に装着開始。
O-RING装着完了。
結局、全部やってもらってしまった・・・
実は、後日、EP82への交換作業自体も、私は参加できなかったんです。
みんなが作業をしてくれたんだけど・・・この新品ハブを組み込んだユニットは・・・
AE86レースの彼が触った後・・・何か思うところがあったのか、再作業を実施してから組み込んだとのこと。
無事にJoy耐2022も完走できたのですが、まあ2023年大会の前にまた同じ作業をしないと・・・
油圧プレス・・・買うかな。何かと必要な場面が増えてきたような・・・