バルブクリアランスの調整に4日かかかりました [3機目のN1仕様エンジン]
5月末の筑波サーキットでのスプリントレースは、AE86、TTC1400メンバー共に事故なくいい成績を収めました。
で、6月は、本庄サーキットでの軽自動車耐久N-Nクラス出場だと思っていたのですが、今回も欠場です。っていうか、N-Nクラスすごい活況ですね。あっという間に30台の枠が埋まってしまったそうです。強制的にエントリーできなかった。一体何が起こっているんだ・・・本庄N-Nクラス。
なんだか、繰り返しレギュレーション改定っていうか「違反するような改造はするなよ。」警告が出されているということで・・・正直、「いや、軽自動車にそんなに金をかけても・・・タイヤ飛んでっちゃうような構造なんだから・・」(あ、ダメなの?このあたり書いちゃ)
あ、はい。本題ね。本題。出場しない大会のことは触るな。と。
バルブすり合わせ処理をお願いしていた加工屋さんからヘッド側が一通り戻ってきました。
これに一通りヘッド側部品を組み込んで、バルブクリアランスの調整をしないといけないです。
参考までにこの返却されてきたヘッドに一通り部品を組み込んだ後、バルブがどれぐらい飛び出してくるものなのか確認したのがこの写真。
こんな感じで、完全にヘッドブロックから飛び出してきちゃうんですよ。バルブクリアランス調整作業中にバルブが。
なので、この空間を確保しないといけないです。
2基目のN1仕様エンジン(始動できなかったやつね。)の時には、こんな感じで横倒しにして、バルブスプリングコンプレッサーを取り扱っていました。
とにかく作業がしにくくて。
時間がかかってしょうがない。
なので、今回は、ヘッドスタンドってやつを先に購入しておきました。バイク用の。
UNITというブランドから販売されているE7120エンジンスタンドというものです。
1300ccの排気量だと、バイク用のでなんとか固定できてしまいました。
といっても、エンジンスタンドを買ってきて、そのままではヘッドを固定できなくて
こんな感じで、ホームセンターでいろいろな金具とネジ類を購入して、試行錯誤して取り付けました。
固定できている全体写真を撮影したと思ったんだけど、なかった。残念。
とにかく机の上で、ヘッドをゴロゴロ動かさなくて済むようになったので、格段に作業が楽になりました。
うっかりミスになりそうだったのが、このバルブステムオイルシール。
今回、製作しているベースエンジンは、筑波サーキットで機関車トーマスを演じてしまったものです。
あれだけ白煙を吐くということは、バルブステムオイルシールが相当悪くなっているんだろう。と予想していたのですが・・・
外観上はわからなかった。
これまでに掴んだ「白煙の原因」は、
1.このエンジン、全部のピストンに深い縦傷が入っていた。(しかも円周の同じ側)
2.バルブクリアランスは、大きく外れていた(数字が大きい方向。しかも全バルブがバラバラ。)
で、バルブステムオイルシールも。って思っていたんだけど、そうでもないみたい。
みんな同じ形に見えるけど、念の為、寸法を測ってみるか。
ん?
これ・・・高さ寸法が・・・違うぞ。吸気側と排気側で。あっぶね。気にせず組み込むところだった。
現品合わせしましたよ。
1基目のエンジンの時の部品型番を一通り残しておいてよかった。ちゃんと今も購入できました。
このコッターピンとバルブをバルブスプリングコンプレッサーを使って組み込んでいくんだけど・・・
これ、まだバルブスプリングコンプレッサーを使う前ね。
こんな感じで、コッターピンを2つ、バルブの支柱(円筒形の窪みがあるところ)にはめ込まないといけないんだけど・・・
バルブスプリングコンプレッサーって、本当にたまにしか使わないから、使い方を忘れてしまっていて・・・
苦悩。
本当に苦悩。
最初のこの1個を組み込むのに40分かかった。
手持ちのマイナスドライバーやら、ピンセットを持ち出して、コッターピンと格闘。
まあ、16個もバルブがあるので、繰り返し作業をしているうちにだんだん1つあたりの作業時間は短くなりました。(オペレーションズリサーチの世界)
で、このコッターピンの部分を少しプラスチックハンマーで叩いてあげながら、バルブシムを入れるお皿を被せて、カムシャフトを組み込む。
念の為、カムシャフトの固定部のクリアランスを測定。
うん。プラスチゲージの幅は、整備書の指定範囲内だった。
ここまでで1日がかり。
シムゲージを使って、バルブクリアランス調整を開始。
最後には嫌になってしまって、「とにかく整備書の交差範囲内に入っていればいいよ。」ということで蓋をしてしまったんだった。
今回は、ちゃんと室内で作業。
16個全部のバルブクリアランスを一定の数値に収めるのだ。
数値をメモした後、カムシャフトを全部バラして、シムを入れていく作業を繰り返していく。
吸気側1個、排気側1個を除いて、1日で数値を揃えることができた。
が、その後が・・・残り2個がどうしても数値を揃えられない・・・どころか、整備書の許容公差範囲内に入らなのだ。
3日目に1日がかりで排気側を合わせた。
手持ちのバルブシムだけでなく、このシムを載せるお皿の寸法もありったけ測定して、組み合わせを変えていって、なんとか収めた。
stilform JAPANという会社が販売してくれている「金属にも書けるペン」ってやつを事前に手に入れていたから、部品そのものに測定値を書き込んで管理できていたけど、これがなかったら、もっと大変なことになってた。
残りは、吸気側1個。
厚み2.60mmのシムがあれば、揃えることができる。が・・・廃盤になっていた。よりによって。2.60mmと2.65mmのシムが。
代わりに整備仕様書には書かれていない、2.55mmと2.50mmのシムが販売されていた。
念の為、2.70mmのシムと共に購入して組み込んでみるんだけど・・・
どれも「公差範囲そのもの」に入らない。どうやっても。
シムそのものを削ろうか・・・
ものすごく迷う。
でもなあ・・・たいらになんて削れないよ。きっと。紙やすりで。しかも、シムの表面って、これ、絶対に何か処理がされてる。
この処理層を剥がしたら、猛烈に摩耗するんじゃないか?
バルブ組み込み作業4日目。
たった1個のバルブに散々悩んだ挙句、2.55mmのシムを組み込んで蓋をしてしまいました。大丈夫。きっと。
さ、ブロック側と合体させて、エンジン組み付け完了させるぞ。