6月の筑波3時間耐久(練習走行)は・・・結局、台数が集まらなくて「延期」になりました。

「中止」ではなくて、「延期」。

・・・・永久に延期だったりして。


なんかね。もう・・・魂が抜けた感じですよ。脚本家のたまちい様も降りてきてくれなくて、おかげさまでこのBlogも一ヶ月半ほったらかしですよ。毎日毎日たくさんの人が訪問してきてくれるのに。


はい。Blogほったらかし期間の間に佐藤琢磨選手が歴史的快挙を成し遂げてくれたり、トヨタがル・マン予選デーで圧倒的な速さを見せていたりの1ヶ月半でしたが、気を取り直して記事を書きますよ。


今回のお話は、いよいよ「ハンドブレーキの移植」のお話。

そもそもこのお話の始まりは「ドラムブレーキが全く分解できなくなった。」というところから始まったお話です。(もう、数ヶ月前の話だから、みんな忘れちゃったかもしれないけど。)


やっと「ブレーキ」という単語が出てきました。今回でこのテーマをやっと終わりにできるか?


リヤサス周りを全移植作業に取り掛かっているEP82。

なんとかリヤアクスル全体を取り付けすることができたので、あと残っているのは、「ブレーキを組み付ける」ことだけ。

ブレーキは、いつもの「リヤブレーキシュー取り付け」・・・あのめんどくさい作業・・・の前に、今回限りの特殊作業があるんだった。


それは、「2015年秋に”ハンドブレーキが効かない!”問題に大苦戦したんだけど、それはそもそも”ハンドブレーキケーブルがダメになっていた”からではないか?」という疑問への挑戦。


全損車両から、ハンドブレーキシステムを取り外して見て、現有車両と比較してみよう。


ハンドブレーキシステムの分解なんて簡単さ。なんたって、リヤアクスル周りを外すためにケーブルそのものは引き抜き済みなんだから。


リヤ周りがないんだから、この運転席脇のハンドブレーキのネジを外せば・・・



あらよっと。ネジ4つ外せば、この黒いハンドブレーキから先の部分がガバッと・・・ガッ!え?あれ???

・・・なんだ?全然ひっかかちゃって、ケーブル類が全く出てこない。???


仕方がないから、車体の底に潜り込むと・・・・あ〜・・・



ハンドブレーキの先が、こんな感じになってた。これじゃ引っ張っても運転席側にケーブル類が出てこないわけだ。

ボディには、ゴムキャップみたいので、ケーブルが保持されているみたいだけど・・・この先の「ハンドブレーキから出てきたワイヤ1本が2本に分岐されている部分が・・・なん・・・だ・・・どうやって取り付けられているんだ???


外せない。外せないよ〜!!!

一人でウンウンやっているところにオーナーが到着。


事情を話して、選手交代。

潜って様子を見たあと・・・「あれだよ。内装はがしの時に使った工具をちょうだい。」

はい。丸い輪っか状になってるやつね。

「あと、マイナスドライバー。」

はい。って、あれ?あっという間にケーブルを引きずり出して、這い出てきた。


え?え?どうやったの?

「いや、これ、丸いフックで引っかかっていただけなんだよ。道具を使って、突っついたら外れたよ。ケーブル。」


あ、そう。難しく考えすぎたかな。真下から見ていて。


この取り外したケーブルと、現有車両のケーブルを比較してみたんだけど・・・全く長さは変わらない。

なんか・・・嫌な予感。予想では、「現有車両のケーブルは伸びきちゃっていて(長くなっていて)、だからハンドブレーキが効かなかった。」というストーリーだったんだけど・・・


ま、とにかくこの取り外したケーブルを移植しよう。ケーブルの長さは全く変わらないってことがわかったんだから。

で、移植作業が・・・簡単・・・なはず・・・だったのにものすごく大変な事態。

現有車両の方は、ハンドブレーキそのものは外していないから、さっきの「1本が2本に分岐されるところ」がめんどくさいんだろうと予想していたんだけど・・・


そうじゃなかった。あれは、「単に丸いフックに引っかければOK」だった。本当に。

問題は、その先。



わかる?

さっきの二つに分かれたところから、パーキングブレーキ用にそれぞれケーブルが左右に走るんだけど、それは単純に「右のケーブルは、右のリヤブレーキに。左のケーブルは、左のリヤブレーキに。」とはなっていなくて、左右でクロスして分かれていくようになっていた。


で、そのクロスする部分の前に、この「金物」が・・・・

ボディワーク側の保持部にこの「ねじ止めのケーブル保持金具」を”スライドして”なんとかはめ込まなきゃならないんだけど・・・

とにかく入らない。


元のボディ用の保持金具でないと入らないのかと、いろいろやってみたんだけど・・・本当に無理。

何か、ボディーワーク側とのわずかな公差ではめることができないらしい。


CRC5-56を駆使しながら、二人で交代しながら延々と作業。

編み出した作業方法が、

1)リヤブレーキに向かう保持金具は、全部外しておく。(つけてしまうとケーブルの動きに制約が出る。)

2)金具を入れようとする係とケーブルを”できるだけ水平に保持”する係の二人に分かれる。

これで、なんとか金具を装着することができました。はあ・・・ものすごく大変だった。


最近生産されている車両が、「高級車だけでなく、排気量が小さな車まで、電動バーキングブレーキ」になっていることが気にはなっていたんです。(ハイブリッド化の影響かと思っていた。)


「何でもかんでも電動化って・・・長期信頼性を担保できているのかねえ・・・EP82なんて、生産終了後、20年経っても競技で使えているよ。最近の車両は、20年後も部品が確保できるのかね?」


自分達で、パーキングブレーキ移植作業をやってみて・・・

「これじゃあ、どんどん電動化されるわけだよ。こんな部品点数、取り付け作業を行なっている生産関係者は大変だ。」


まあ、経験に裏打ちされたシンプルな構造だってことはよくわかったけどね。

絶滅すると思います。ハンドブレーキシステム。あ、そんなことになったら、ジムカーナ車両がなくなっちゃうか。