4月1日の筑波TC-2 2018第一戦は、残念ながら出場できないことが決定です。

昨年の大会時に車両の動きがおかしいことが発覚して、その後、ジタバタしてみたんだけど、諦めてミッションを換装することになりました。

で、保管してあった5速ミッションを・・・まずは、フォークリフト修理係にオーバーホールしてもらうことにしました。

なんでもできる限り自分達でやることを誓っているんだけど、ミッションとハブだけは諦めることにしています。

だって、油圧プレス持ってないもん。


まあ、JOY耐までは時間があるので、のんびりやります。


さて、今回は「車に関係した猫」の話。


数年前から、日産自動車が「猫バンバン」プロジェクトってやつを展開しているとは聞いていたんだけど、まさか自分がそれに近い境遇に陥るとは思ってなかった。


筑波サーキットの帰り道での話です。

練習走行を終えて、作業部品を買ってから帰宅しようとホームセンターに寄った後、駐車場をテクテク歩いていると・・・

なんだか人だかりが。軽自動車の周りに。


視線の左端に人だかりを捉えながら通過。なんだか甲高い鳴き声がしてる。

多分・・・猫。


そのまま遥か先の自分の車まで行った後・・・Uターン。

集まっている人たちに話を聞いてみる。

「猫を手渡そうとしたら、逃げた。」

「あっちの車の方に向かって、その後、姿が見えない。」

「自分の車に乗って、エンジンかけようとしたら、猫の声がうるさい。」

「多分、車の中に入っちゃったの。でも、姿が見えない!」


あ〜・・・と。落ち着いて。みんな。

で、このN-BOXのオーナーさんは・・・車載工具で車をバラそうとしているのね。



うん。無理だから。それ。


車に戻って、保管ガレージを目指す。

必要な工具は、いつもの「なんでも入ってる工具箱2つ」とジャッキと・・・クロスレンチ。それとトルクレンチだ。


一通りの装備を持って、再び戻ってくると、人だかりがさらに増えてた。

でも、猫の声が聞こえない。静かだよ。解決?


「違う。全然声がしなくなった。」


う〜ん????

とりあえず、グリル周りが外されて・・・姿が見当たらないのね。で、声もしないと。

「旅に出られたのじゃないですかね?遥か彼方に。」

「絶対にそんなことない。みんなでこの車の周りにいたんだから。」


そうなのかねえ・・・だって、エンジンルームを見回しても全く見当たらないよ。



みんなは右側のホイールハウス付近から、ずっと声がしていたって言うんだけど・・・


この車両のオーナーさんに確認。

「ジャッキアップして、タイヤを外した後、ホイールハウスカバーを外してしまうけど、いいですか?」

「構わないです。猫乗せたまんま走るのはヤなので。」

では、まずホイールナットを緩めて・・・て????なん・・・だ?全くビクともしないぞ。このナット。


「そうなんですよ〜。このナット、全く緩まない。」

周りにいた私よりも体格のいい男の人たちが口を揃える。どうも、車載工具でできる限りのことをやろうと相当な時間、頑張ってたのね。みんな。


社外ホイールが装備されているN-BOX。

まあ、考えられるのは・・・ショップでエアガンドン!っと。経年変化でボルトがちぎれることがあり得ることを全く考えずに。


さて・・・たまたまここに駆けつけた私は、経験豊富よ。車バラすことにかけては。なんたって、土の保管ガレージで”便利な工具全く無し”で、ハンドツールだけでスターレットを整備してきたんだから。皆さんは、ものすっごくラッキーだ。今からそこの宝くじ売り場に行ったほうがいい。


パイプ売り場にダッシュ。このホームセンターは、なんでも売ってるのだ。いつも感心させられる。

たくさん並ぶパイプを一通り見て・・・店員さんにお願い。

「この十字レンチがちょうど通りそうな径のパイプ。私の身長ぐらいでカットしてください。駐車場で、猫がSOSなんです。」

「???はい。準備します。」


カットしてもらったパイプを十字レンチを介して、N-BOXのホイールナットに噛ませる。

って、ぜんっぜんビクともしない!何やっちゃってるのこれ!

十字レンチのところで大人の男性2人。パイプの端に私。

大人3人がかりで、声を掛け合って・・・外れた!


ホイールナットにこんなトルク値なんて全然必要ない。十字レンチで両手締めして十分適正値がかかるのに。



ホイールハウスカバーを一通り外したんだけど・・・全然見当たらないぞ。猫なんて。

だいたい、外から入り込む隙間なんてないよ。この軽自動車。本当にいるのかなあ・・・


作業をしながら、周りの皆さんに話を聞いてみる。

「生まれた猫をあげます。って連絡して、このホームセンターで集合したんです。」

「で、車から降りて、手渡そうとしたら、走り出しちゃって・・・」

「この車のあたりで、姿が見えなくなったんです。」


それじゃあ、このN-BOXのオーナーさんが、子猫をもらおうとしたと。


「違います。」

「へ?」

「私は、たまたまここに買い物にきてただけ。車に戻ってきたら、周りで女の人たちがオロオロしていて、自分の車のエンジンをかけようとしたら・・・やめたほうがいいな。と。」

「子猫の鳴き声がした?」

「そう。」


多分ねえ・・・それは、化け猫の霊が憑いてるんだな。このN-BOXに。

よりによって、猫の引き取り手じゃない人の車をバラしてるんだよ。私。

運がないなあ・・・このN-BOXのオーナーさん。


「気のせいってことはないですかねえ・・・こんなにバラしちゃって、全然いないじゃないですか。」

「そんなことないですって!絶対、この車の中にいます!」


いや、あのね。私は、極力冷静に話をしているつもりなんだけど、内心、相当困ってるわけ。

「だって、このN-BOXバラバラにされちゃったけど、復旧できない。」

ホイールハウスカバーを固定しているフックって、一回外しちゃうと破損しちゃうんだよね。

なので、このペラペラプラスチックカバーは・・・もう、うまく固定できない。


「どうします?室内側のこの袋状のところもフックを壊して外しちゃってもいいですか?もう、ここしか考えられないですよ。」

「いいです。やってください。」

「でもなあ・・・う〜ん。軽自動車でしょう?こんな狭いところに入り込めるかなあ・・・」



外して隙間を覗いてみるんだけど・・・真っ暗で良くわかないや。

「やっぱりいない。真っ黒で全然わからないですよ。」

「黒いんです。その子猫。」

「は?よりによって、黒猫?」


交代してもらって、男性陣が、順番に手を突っ込んでいく。と・・・

「いた!感触がある!あ、上の方に登ってく!」

って、慌てて、エンジンルームに回るんだけど・・・いや、無理だって。サスペンション取り付け口は完全に塞がってるんだから。


みんなであ〜じゃないこうじゃないと・・・確保!

狭いホイールハウスの中から、子猫が取り出された!確かに黒かった。それも真っ黒な子猫だ。

(残念ながら、安心してしまって写真を撮るのを忘れた。)


マイッタなあ・・・こんなことが本当に起こるとは。

あの日産の「猫バンバン」活動って、本当に必要なことなんだ。こんな小さなところに(外から入れる隙間がとてもあったとは思えない。)猫って、本当に入り込んじゃうんだ。


このN-BOXのオーナーさんが、猫の泣き声なんて気にもせずに走り出してしまっていたら、どうなっていたんだろう。


ホイールハウスカバーをなんとかまあまあ復旧させる。


「この折れたフックをディーラーさんに持っていって、”フックだけください。”ってくれぐれも言ってください。自分で復旧作業ができますからね。」

「あ〜・・・うん。まあいいですよ。もうすぐ車検だし。その時に頼みますよ。」


いや、ダメなんだって。それじゃ。ホンダ正規代理店の販売力を侮ってるね。チミ。

「ホイールカバーフック外れちゃったんで、修理お願いします。」

「あ〜。じゃ、ここにサインとハンコを押してくださいね。」

それ、新車の契約書だから。新型になったでしょ?N-BOX。

軽自動車NO.1だからね。N-BOX。フラフラ〜って、ホンダの販売店に行っちゃったら、新車買って出てくることになるからね。ホントに。