BILSTEIN製ショックアブソーバーをオーバーホール [EP82日常整備]
自転車の話なんですけどね。
自家用車を持っていない我が家でも、1台自転車があります。
友達が遠く、わざわざ高速道路を使って持ってきてくれた「大きな折りたたみ自転車」(あんまりありがたくない大きさ)
「お前はなあ・・・奥さんに自転車の一つも買ってやらないみたいだから、うちであんまり使ってないヤツをあげる。大事に使え。」
それだけ言ってさっさと帰って早・・・何年だ?
だいぶ遅くに結婚したけど、まあ、ハッピーにやってるらしい。
大事に使ってきたんだけど・・・だいぶ錆びてきちゃった。
いやいや。友達が持ってきてくれた自転車。大事に乗らないと。
我が妻が毎日乗っていて・・・とうとう頻繁にパンクするようになったらしい。
パンクするたびに修理しているんだけど・・・どうにも空気が頻繁に抜ける。
って、あれ?なんだか我が妻の仕事先で話題になっていたらしい。私のことが。
「旦那がパンクをいくら修理しても、ちゃんと治らないんですぅ。だからここのところ歩いて出社しています。」
「あんたあ、まじめねえ。修理をしてくれた後、昼間に自転車屋さんに持って行っちゃえばいいじゃない。それで、”治ったよ。ありがとう”って言ってればいいのよ。」
「・・・・いや、それは・・・なんか心が痛い。」
そうだぞ。我が妻よ。そういうのは、人を騙・・いや、おばさんになっちゃった証拠だよ。そういうことをやるようになると!まったく!人様の苦労も知らずに!
んじゃ、全力で当たらせていただきますよ。パンク修理に。
なんたって、4E-FEエンジンバラして組んじゃうんだよ。私。こんな自転車のパンクごときに手間取っちゃってちゃいかんだろう。
後輪のタイヤを剥ぐってチューブをビロビロ〜っと・・・
空気を入れて、水を張ったバケツの中にボチャンっと・・・ほ〜ら、泡が・・・・いっぱい?
・・・・なんだ?何カ所もでてる・・・ような?
今までは、一カ所発見すると、さっさとパッチを貼って、それでおしまいにしていたけど・・・なんだ?これ。
よ〜くゴムを観察すると・・・Made in chinaと書かれたそのタイヤのゴムは・・・
「一本に丸く形成されたゴムの貼り合わせ面から・・・空気が漏れてる」状態だった。20インチのタイヤ全周から。
これじゃ、パンク修理なんてできるわけないじゃん。チューブそのものを交換しないと解決できない。
だいたい・・・なんだ?なんか、昨年我が妻が「タイヤがツルツルになっちゃったから、交換してもらった〜」とかって言っていたはずだぞ。なんでもう、”ツルツル”なんだ?このタイヤ。
調べてみると・・・その外周のタイヤそのものもMade in chinaって書かれてる。
・・・そういえば・・・なんか、近所のドン●ホーテ(え?いや、やっぱり伏せ字にするべきなんだろう。この話題。)で、交換作業をしてもらったとか何とか・・・
我が妻を叱責。バケツを持って立ってなさい!
「だいたい、電池買ってくる時も100円ショップで買ってきて、使いたい時にほぼ全滅or使えたのは一日だけ事件とか、様々体験してるのに、なんでドン●ホーテなんだ!買って一年でツルツルになっちゃう自転車のタイヤって、絶対おかしいだろう!」
「いいか?せっかくお金を出すんだったら、我が家はMade in Japan!結果的に長く使えて安上がりになるんだから!変な産地のものを買ってくる人は、ウチの人ではありません!家、入れないからね!」
まったくも〜。
んじゃ、日本製の自転車用タイヤ&チューブを購入しに・・・ってなにを選べばいいんだろう?
幸い、周りに自転車に詳しい人がいた。それも複数。
(なんかみんな・・・休日は、だいぶ遠くまでサイクリングしてるんだね。その人達に”筑波サーキット”って単語を振ると、ず〜と自転車の話をしてる。最近流行ってるんだって。パーマネントサーキットを自転車で走るのが)
「日本製の自転車用タイヤ?ああ、自動車用タイヤメーカーのやつはやめておけ。」
「へ?”世界の石橋”は、自転車用ではそんなにWorld Wideじゃないの?}
「いや、そうじゃなくて、お前が聞いてきていることに対しての答えだ。”日本メーカー製の自転車用タイヤだからって、日本国内で製造しているわけではない。”ってことだよ」
「へ?」
「井上ゴム工業って会社の製品にしておけ。あれなら、日本国内で製造しているモノが流通してる。金だしな。一通り選んで持ってきてやる。」
到着したタイヤは・・・なんか・・・縁が赤くなってる。タイヤに色ってつけられるんだね。
かっこよくデザインされてるなあ。IRCって・・・ブランド名なんだろうね。きっと。
んじゃ、チャッチャッと交換しますか。って・・・自転車の後輪って・・・ギヤチェンジシステムがあるし、めんどくさそう・・・
いやいや。オレ様は4E-FEエンジンを組んだ男。自転車ごとき(失礼)にひるんじゃいけない。
貫通ボルト1本と+ネジ2本取り外し。
自転車がバラバラバラバラ〜・・・・(復旧どうしよう・・・・)
ホイールを取り外して、チューブとタイヤを交換して・・・なんだよ。ギヤ機構がなんか・・・テンションがかかっていて、うまくシャーシに・・・入ったああああ〜。
へっへっへ。初めての体験だったけど、うまく入ったよ。
完成!1時間ほどで完了!さあっ我が妻よ。かっこ良くなった、この錆び錆び自転車をみんなに自慢しなさい。
「すごおおお〜い。ほんとに乗り心地がぜんぜん違う!こんなだったっけ?この自転車。」
喜ぶ我が妻を見て、「フッフッフ。俺ってすごい。やっぱり。」って思ってましたよ。
一週間後・・・「またパンクした。」
へ?
なんかおかしいと思って調べてみたら・・・びっくり。
「タイヤに回転方向指示があった。自転車のタイヤのくせに。」
チューブを引き出してみると・・・中でグチャグチャになっていた。
回転方向が逆だったせいか・・・チューブの形が保てなくて、タイヤ内で擦れて破けてしまったらしい。
・・・・いよいよ・・・買おうかな。新しい自転車。(ある種の挫折)
またみんなに相談。
「日本製の自転車?そんなものは無い!製造業にいながら、お前はいったいなにを見てるんだ。まったく」
え・・・?
どうなる自転車?我が家に新車がやってくる時が来るのか?解決編はそのうち公開!(だって、どうしたらいいんだかわからないんだもん。)
え〜と、今回の記事、ここまででいい?なんか文字数が多くて・・・・本題に入る前に。ふう・・・
頭切り換えましょう。
今回のお話は、2010年-2011年にかけて4E-FEエンジンをオーバーホールしていた時に行っていた作業の話。
今の「5万円で買ってきたスターレットをN1車両化」作業でもまったく同じ事をやっているので、記録に残しておきます。
2011年のJoy耐で全損したEP82は、2007年の秋にオーナーが18万円で買ってきた車両なんですけどね。
なんかこの車両・・・結構お金がかかってる・・・みたい。
ショックアブソーバーが4本ともビルシュタイン製なんです。
で、エンジンを降ろしているときに考えたのが・・・「ショックアブソーバーって、オーバーホールしたほうがいいのかな?競技車両だから、そんなに走行距離を走っていないっていっても、なにぶん生産中止から15年ぐらい経過している車両だもんなあ・・・」
免許を取って最初に乗ったスカイライン(姉のお下がり。納車後6年ほどが経過していた)は、筑波サーキットを走るようになって・・・ある日、リヤの左ショックアブソーバーが完全に抜けてしまったんです。
(がっくり左に車体が傾いた状態。)
で、学生でお金がなかったから、ノーマルをその1本だけディーラーで交換してもらったんだけど・・・
今度は、左側だけが異様に上がったかっこ悪いスカイラインのできあがり。
両極端なことを経験したことから、「ショックアブソーバーっていうのは、4本まとめて処置した方が良いんだ。」って事だけはわかってました。
さて・・・エンジン降ろしちゃって、しばらく動かないんだから、この機会にショックアブソーバーをオーバーホールしよう。長距離走行中にショックアブソーバーが抜けるような事態は避けたい。
ガレージオーナーに相談すると・・・
「ビルシュタインのショックアブソーバーなんて・・・そんな高級品、自分で作業できないぞ。限定したショップでしか受付自体もしてくれない。そんなもの捨てて、なにか新品買ってきた方が良いんじゃないの?」
・・・・フォークリフト修理係の意見は?
「いやあ・・・ダートラ車両のショックアブソーバーオーバーホールを頼んだことがありましたけど・・・15万円以上しましたよ。オーバーホールなんてやめた方が良いんじゃないですか?新品買ってきた方が、安いと思いますよ。」
いろいろ調べたんだけどさ。
「N1用EP82ショックアブソーバーセット」なんて、今どき売ってないみたいよ。ストリート用とかは、あるみたいだけど。
オーバーホールしよう。自分で取り外して、コクピット川越に持っていくんだ。
大丈夫。フロントはボンネットのところの3本のナットを外して、あとはサスペンションのところの大きな2本のボルトを外せば、全部取り出せる。
って・・・そうじゃなかった。ステンレスメッシュホースを取り付けているブラケットが難敵だ。
これは・・・ラン・マックスのラインブラケットを指名で使っていたんだけど・・・
逆に取り外しの場面では・・・すごくやっかいだ。頑丈で。
リヤの方はもっと簡単・・・じゃなかった。フロントよりもリヤの方がやっかいだ。
サスペンション側の貫通ボルトが・・・マフラーが邪魔して、うまく取り外せない!
あ〜・・・取り外し作業だけで半日。
なんとかなったぜ。
コックピット川越に持っていくと・・・
「オーバーホールは・・・セッティングはどうしますか?」
「へ?」
いや・・・そんなことぜんぜん考えてなかった。どうも、こちらのリクエストに応えることができるらしい。
「それでは・・・スプリングは何kgをつけてますか?」
・・・・それも答えられない。
驚かれちゃうかもしれないけど、実は、「自分が競技速度でドライブしている車両のスプリングの固さ」等々を気にしていないのだ。私。
というのも、耐久レースのおもしろいところは・・・
「まったく同じ車両を複数のドライバーが運転して・・・いやでも誰が速いのかわかっちゃう。」システムであること。
当然、私が一番遅い。メンバーの中で。
だもんで、「同じ車両で、より速く走らせられる人がいるんだから、自分はまだその領域に達してないんだろう。私がセッティングに口を挟むなんてとんでもない。」っていつも思っているんです。
まあ、もう一つ「耐久レースは、全員が速く走っちゃいけないのさ。私の特技は車を壊さないこと。いつも最終走者を担当して、フィニッシュラインに持っていくのが私の任務」とも思っているんだけどね。
結局、コクピット川越のみんなは困った顔をして・・・「標準セット」で受付をしてくれた。
(といっても、ビルシュタインの場合、指定オーバーホール工場に送付することが規則なんだそうです。ショップ側でバラすのは御法度)
2週間ほどで戻ってきたショックアブソーバーセットは・・・
中のロッドが全数交換になってた。(取り外されたロッドを写真撮るの忘れた。全部傷が入ってた。)
サスペンション取り付けブッシュ周りはまだぜんぜん問題が無かったらしい。
費用?
え〜と・・・確か、11インチMacBook Airが買えるぐらいの金額だった。(深すぎる?)
さて、持ち帰って自分で取り付け作業。
このあたりで薄々気がついていたんだけど・・・銀行員&営業マンDuoは・・・通常、人員配置って、1名+1名=2名になることを考えるでしょう?
私達の場合・・・1名+1名=0.7名ぐらいになります。それぞれがバラバラの作業をしていると、全く進まない。
「二人で一つの作業を行うようにしないと、悩んでいるばかりで先に進まない」状況だっていうことを・・・このショックアブソーバーオーバーホール作業のあたりは、まだ「ひょっとして?」ぐらいの感じだったんだなあ。
私一人で4本全部取り付け作業をして・・・途中でやになっちゃって、フロント側の足回り取り付けボルト(4本)は、仮止めで終わりにしちゃったんだった。
で、この「仮止め」で、筑波サーキットを走ってました。しばらく。(まだ、30分以上連続走行できなかったから、逆に良かった)
TTC1400の彼がパドックに停車中の我々の車両を見て一言。
「ねえ・・・なんか・・・この車、キャンバーの付き方が、左右で違う。ぜんぜん。なんかおかしくない?」
彼が自ら工具を取り出してチェック・・・・「なんだよおおおお〜!全部ゆるゆる!ボルト止まってないじゃん!」
あ〜・・・どおりで。
まあ、これでわかっちゃったよ。ショックアブソーバーケース部がちゃんと締まってないと、コーナリング中にがっくりハンドルの重さが変わるんだ。
「なんで急に車の向きが変わるポイントがあるんだろう?旋回中に。」って不思議に思ってたんだけどね。あっはっは。事故にならなくて良かった。
現役スプリンター二人が、それぞれオーバーホール後のこの車両をドライブして・・・別にこちらから聞いていないけど、それぞれがショックアブソーバーについてコメント。
「この車両、フロント側のショックが変じゃない?フロントが伸び上がるような感じがする。」
二人共からほぼ同じコメントっていうのは・・・失敗したか?ひょっとして?っていうか、「ショックアブソーバーのセッティングの違いがわかる。」ってところを尊敬するよ。
やっぱりスプリング固さ指定で、オーバーホール指示を出すんだったかあああああ〜(苦悩)